”ユーモア/シュール/アイロニー/そして、インテリア” acaoさん

”ユーモア/シュール/アイロニー/そして、インテリア” acaoさん

絵や彫刻、映像など、一度その作品を見ると忘れられない作家さんっていますよね。 その人が作ったものは、初めて見るものでも「あ、あの人の作品だな」ってすぐに分かってしまうような。 たとえば、画家の草間彌生さん。 たとえば、漫画家の楳図かずおさん。 いずれも強烈な個性で、多くのファンがいる作家さんです。 今回インタビューしたacaoさんの家は、まさにそんな「一度見ると忘れられない作品」のようなインテリアです。  
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  黄緑やピンク、ブルーに塗られた壁。   様々な柄のカーテンやラグ。   そして動物の首や人体をモチーフにした絵やオブジェーー。   個性的なモノがセンスよくちりばめられ、遊び心にあふれている、まるで美術館のようなacaoさんの家の写真は、RoomClipのタイムラインでも独特の存在感を放っています。   インタビューの場所となった東京郊外の喫茶店に現れたacaoさんは、そんな家の主にふさわしい、穏やかな佇まいの中にも強烈な個性を秘めた素敵な方でした。   【RoomClipMagは、約25万人が利用する日本最大のインテリア・コミュニティRoomClip(ルームクリップ)がお送りするウェブマガジンです】     ———————————————————————————————— #7「無意味なものこそ、人生を豊かにしてくれる」acaoさん ————————————————————————————————  
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●10種類以上の壁紙   ーーー今日はよろしくお願いします。acaoさんの家のテイスト、すごく好きだったのでお会いできて嬉しいです。   「ありがとうございます。こちらこそよろしくお願いします。」   ーーーacaoさんの家といえば、鮮やかな色や様々な模様の壁がとても印象的ですね。   「壁は塗っているところと、壁紙を貼っているところがあります。壁って一番簡単に、大きく模様替えができるところですよね。私は結構飽き性なので、すぐに別の色とか模様にしたくなっちゃうんです」   ーー壁紙は何種類くらいあるんですか?   「今使っているので7つくらいですかね。保管しているものも含めれば、えーと、、(指折り数えて)全部で10種類以上はありますね。TECIDO(テシード)っていう輸入壁紙の業者さんがあって、大体そこで買っています」   ーーー10種類!!すごい。ご自分で貼ってるんですか?   「そうですね。日本の防火基準は結構厳しくて、海外の壁紙は新築の時には貼れないものが多いんです。でも、どうしても使いたいものが多かったから、家を建てた後に自分でちょくちょく張り替えているんです。花とか動物が描いてあるような壁紙はだいたい自分で貼ったものです」  
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  ーーーそれにしても面白い壁紙が多いですよね。   「そうですね(笑)。だまし絵の壁紙とかもありますよ。廊下には本棚が描いてある壁紙があるんです。結構リアルで、写真だとわからなかったりしますよ」  
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  ーーーわ。すごい!これ、右側の窓もニセモノですよね?   「そうそう。左側にはドアの絵が描いてあるんですよ。でも全部ニセモノ(笑)」   ーーー本棚の絵の前の赤い椅子はホンモノですか?   「そうです」   ーーー面白いな−。なんだか美術館みたいですね。   「視覚的に楽しめるというか。家に遊びに来た人がクスッて笑ってくれればいいなって思って」   ーーー遊び心を詰め込み過ぎです(笑)  
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  ●椅子も10脚以上!    「だまし絵といえば、この洋書は実はスツールなんです。かなりリアルなんですよ。『あ、洋書だ!』って思って一番上の本を持ち上げようとすると、グッッってなるんです。全部つながってるから」   ーーー「BOOK SITTING」って書いてありますね(笑)。それにしてもacaoさんの家には椅子がたくさんありますよね。   「そうですねー。10脚以上はあると思います」   ーーーわ。すごい。お金かかったんじゃないですか?   「そんなことないんです。うちはアントチェアが多いんですが、蚤の市とかリサイクルショップを回って、色々なところからバラバラに集めてきました」

 ※アントチェア:デンマークの建築家アルネ・ヤコブセンがデザインしたアリンコ型の椅子

  「元々割れていたり、色落ちしていたりとボロボロの状態だったんですが、パテで埋めて、ペンキを塗って使っているんです。まぁ元がいいものだから、補修すれば十分使えてるんです」   ーーーでも、そんなに椅子あっても座らないですよね……。   「ふふふ。そうですね。正直こんなにいらないんですよ(笑)。だから植木を載せたり、雑貨を載せたり、廊下においたり……。椅子以外にもプフとかね。ホントたくさんあります」   「椅子以外にも、チェストとかも補修して、ペンキ塗って部屋に飾っているんですよ」  
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  ●ルーツは音楽、そして古着   ーーーインテリアはいつごろから好きだったんですか?   「もう学生くらいから、ずーっと好きですね。時代によってインテリアの好みはだいぶ変わってきました。一人暮らしを始めた当初はお金もないので、下北沢とか高円寺っぽいアメリカンポップな感じのインテリアでした。アメコミの雑貨とかを飾ったり、古着屋さんっぽい感じもありました」   「やっぱりルーツは音楽ですかね。映像とかプロモーションビデオも好きで。メジャーなところで言えばフリッパーズ・ギターとか、ピチカートファイブとかが大好きでした。サイケデリックなものも好きでした」   ーーーおー。まさにサブカルチャー全盛期の時代ですよね。うらやましいです!   「そうですね。ただ、結婚した後はちょっと大人っぽい感じにしようって思って、北欧系の温かみのあるようなインテリアで一旦落ち着いたんです。3,4年前はまさにそんな感じでした。前のマンションでは今から見たら笑ってしまうくらいナチュラルな感じだったんですよ(笑)」   ーーー信じられないです(笑)  
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  ●1年間かけて作った家   ーーー今のご自宅はいつ頃から住んでいるんですか?   「3年前からです。それまでは賃貸マンションに住んでいました。ただ、ちょうど子供が元気盛りで、マンションだと『あれもダメ、これもダメ』になってしまって息苦しいなぁと思って、思い切って家を建てることにしたんです」   「土地を買って、建築家を探して、家族に見合う大きさとデザインを一緒に作っていこうっていう感じで、1年位かけて設計しました」   ーーー建築家はどうやって選んだんですか?   「設計集団プラスという建築家を紹介してくれる会社に頼んで紹介していただきました。黒田康之さんという建築家の方と1年間かけてじっくりと相談しながら作りました」

 ※プラスは現在「東京組」という会社。

※黒田康之さんはクロダスタジオという建築事務所を運営。

  ーーーacaoさんの家の趣味とかを伝えた上で?   「そうですね。前の家に何度も足を運んでくださったので、私の趣味はだいたい分かってくれました。」   「例えば、階段のところのピンク色の壁はまさにそうですね。建築家の方が、『acaoさん、ルイス・バラガン好きじゃないですか?』って言ってきたんですが、まさにドンピシャで好きだったんですよ。階段の横の壁を一面ピンク色に塗ると、反対側の大窓から入った光が反射して、反対の白い壁がバラガンピンクになるだろうって。そんな感じで建築家の方のアドバイスに従いながら設計していった感じですね」

※ルイス・バラガン:メキシコの建築家

 
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  ●こだわった子供部屋   「何しろ予算が少なかったので、叶えてもらいたいポイントを絞り込んでお願いしました」   ーーー特にどのあたりがポイントだったんですか。   「光をいっぱい取り込めるというのは大きなポイントでした。昼間には電気をつけなくてもいいようにしたくって」   「我が家は南側が隣家に面しているので、大開口を東側に作ってもらいました。横4メートル、縦2.8メートルの大きな窓なので、光はすごく良く取れます。カーテンが結構大変ですけどね(笑)」   ーーー素敵ですね。ほかにはどのあたりにこだわりましたか?   「やっぱり子供部屋ですかね。2階にリビングと子供部屋を配置したんですが、子供部屋に内窓を作って、リビングから見えるようにしました。窓を閉めれば完全に個室になるので、子供が大きくなっても対応できるようになっています」   「それと、子供部屋は基本的に無塗装にしたんです。住みながら色を変えていこうということで。汚れてきたら私がペンキを塗り変えちゃうんです」   「前の家は『あれもだめ、これもだめ』だったから、新しい家では、落書きしてもいいし、乗り物も乗ってもいいよって。子供主体の自由な空間を作ってあげたんです。だからやりたいほうだいですね(笑)」   ーーーいいなー。超楽しそう!僕、こんな家で育ちたかったです。  
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  ●大切な「骨壷」   ーーーこれだけ色々なモノがあると、どこかお気に入りをひとつ、って言うのは難しいかもしれませんが、何か「これは!」ってものはありますか?   「そうですねー。一番気に入っているモノはこの壺ですね」  
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ーーーか、顔!?   「フォルナ・セッティという作家さんの作品なんです。多分私の買い物の中で一番高価なモノですね。値段もそうですが、1番気に入っているんです。なかなか日本では取り扱っているお店がなくって、私は個人輸入して買ったんです。1年前くらいですかね」   「私は『骨壷』って呼んでいるんです。私が死んだらこの中に入れてくれって(笑)」   ーーーいやーー。これは超かっこいいですね!   「もうずーっと欲しくって、何年も買うか悩んでいたんです。で、もう清水の舞台から飛び降りるくらいの気持ちで買っちゃいました。今は一番目立つところに飾ってます。キッチンの横の飾り棚の上のほう。子供の手の届かないところに」   「これはホント必要ないというか、意味のないものですよね。でも、これがあると心が豊かになる。無意味なものほど、人生を豊かにしてくれると思うんです」   ーーー出ましたね。パンチライン。名言ですね。   「これ、裏と表で表情が違うんです。起きている顔と寝ている顔。で、時々私の気持ちでそっと裏表を変えたりしてるんです。完全に自己満足ですね(笑)」   ーーーぎゃははは  
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  ●可愛いけれど、毒のある世界   ーーー人体とか動物がモチーフになってる絵やオブジェが多いですね。   「もともとヤン・シュバンクマイエルが大好きなんです。かわいいんだけど毒があって、面白い世界観というか。それでそんな世界を自分なりに再現していったらこうなってしまったんです(笑)」

※ヤン・シュバンクマイエル:チェコの芸術家・映像作家

  ーーー自分で作ったり描いたりもしてるんですか?   「そうですね。絵は昔から元々得意だったんです。それが立体になったのは子供生まれてから。絵と立体はぜんぜん違うなーって思いますね」   「立体は完全に素人の趣味ですね。子育てで家にいる時間が増えたので、試行錯誤しながらちょっとずつ作り始めたんです。以前は注文を取って売ったりもしてたんですが、やっぱりそれは大変で。今はもう自分が気が向いて作った時に少し売るという形に変えました」  
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  ーーーいやーそれにしても、ホント面白い家ですね。 お子さんはすごく楽しいだろうなぁ(笑)   「まぁこんな変な家に生まれ育ってるから、洗脳ですよね(笑)。最近は骨董市とかで面白いモノを見つけると『ママ、いい動物の首があるよ』って教えてくれたりもします」   ーーーいいですねー。創造性豊かになりそう。   「あんまりそこら辺のセンスはないんですけどね(笑)。でもやっぱりよく見てくれていて、細かなところでも変わると気づいてくれるんです。実はacaoというのは、ポルトガル語のcriacao(=creation、創造)から来てるんですが、息子の名前にちなんで名づけたんです」   ーーーへーーー!素敵なエピソードですね。最後にいいエピソードが聞けました。今日はどうもありがとうございました。今後ともRoomClipをよろしくお願いします。   「はい。ありがとうございました!」  
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——————————————————————— ご自宅の近くの、珈琲を豆からひいてくれる喫茶店でインタビューに応じてくださったacaoさん。   面白いモノが多いので、実際に写真を一つ一つ見ながら、色々と質問責めにしてしまいました。   インテリアの話から、音楽やアート、はたまた子育ての話まで、すごく素敵な話をたくさん聞かせてくださいました。   金色の靴とすごくカラフルな靴下がとても印象的な、素敵な方でした。   acaoさんは「WALKING IN THE RYTHM」というブログもやっているので、是非覗いてみて下さい!   ——————————————————————— ご感想やご意見、ご要望などはmail@tunn-el.comまでお気軽にメール下さい。 RoomClipMag第8号

RoomClipMag編集部 2013.11.29

     

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