中古住宅を購入し、住まい手のライフスタイルにあった形にガラリと変える「リノベーション」。この連載では「施主目線」に立ち、リノベーションでなければならなかった理由やパートナーを選んだ基準、そしてこだわりポイントを掘り下げます。
今回は、『小さなころから自分で設計・デザインした家』に憧れを抱いていたと語る、広島県在住のtaka55さんのリノベーション体験をご紹介します。社宅生活から中古マンション購入、そしてリノベーションに至った経緯やリノベーションだからこその魅力をお伺いしていきましょう。
今回教えてくれたユーザーさん♪
そもそも家探しをしようと思ったきっかけは何ですか?
「きっかけは社宅利用の期間満了が近づいていたことからでした。また住んでいた社宅のリビングや玄関、お風呂の狭さに対する不満も強かったです。 中古マンション購入と同時にリノベーションを行ったため、元々の間取りでは生活していません。」
どうして、リノベーションじゃなければダメだったんですか?
「どうしても『自分で設計・デザインした家に住みたい』という小さな頃からの夢があり、戸建ての注文住宅に憧れていました。 ですが、利便性の良い立地で夢を実現しようとすると予算的に厳しいことから、早々に断念。 この夢が叶うリノベーションを知り、中古マンション購入+リノベーションを選択しました。」
リノベーションの情報や依頼先は、どうやって探しましたか?
「数あるリノベーション会社は、それぞれに強みや得意とするテイストを持っていて、さまざまに特徴があるなと感じました。 望ましい決め方とは違うのかもしれませんが、依頼先の決定には、僕の兄が経営していたということも影響しています。 ただ、身内だからと融通を利かせてくれる兄ではありません。必ずしも依頼する必要もなかったのですが、周囲から聞こえてくる評判や仕事の確実さなどから、絶対的な信頼が持てたことが最終的な決め手になったと思います。 また、上手く表現はできませんが、一つの特徴に依存しない『自由』な感じを依頼先に対して求めていたことも大きいです。」
実際にできあがった家を見たときは、どう思いましたか?
「自分で図面を描いたりしてたので、ある程度は頭の中でイメージできていましたが、できあがった家は自分のイメージを大きく上回ってました。自分が頭の中で思い描いてた家が、実際に形になったことに感動したのを4年経った今でもはっきりと覚えてます。 嫁からの反応は『お店みたいだね』というものでした。この反応も、僕にとってはとても嬉しかったです。」
特に気に入っている場所はどこですか? 5つ教えてください
①リビングを広く見せる、ガラスの間仕切り壁
「広いリビングに憧れつつも、生活空間に仕切りを設けたいとも思っていました。そのため、間仕切りを作ることは設計当初から頭にありました。(ともに暮らす犬とウサギへの配慮という意味も含んでいます。)
空間を圧迫しない間仕切りをイメージした上で、『ガラスを多く取り入れたい』『フレームは極力細くしたい』『抜け感が欲しいため天井付けはしたくない』という要求を依頼先へ出しました。
しかし、天井付けさせないためには、フレームは太くしないと構造上問題があるとのこと。施工会社の方と検討を重ね、タモ材の間にアイアンの芯を入れることで問題を解決することができました。
理想通りのガラスの間仕切り壁の視覚効果なのでしょうか?室内の全貌がぼんやりとするので、リビングが一層広く見えるように感じます。これは、予想外のメリットでした。」
②高級感のある木目調の、コンクリート壁
「無機質な質感が好きなため、当初は無塗装のコンクリート打ちっ放しの空間にしたいと考えていました。しかし、うちはマンションの1階。時間によっては日照があまりよくないため、無塗装のコンクリートに囲まれた空間では、暗さを感じるだろうな……と断念しました。結果として、全面を白く塗装しています。 その代わり、コンクリート打ちっ放しの壁を部分的にですが、新たに作ってもらうことにしました。その際、依頼先からの案で、杉板型枠を用いたコンクリート壁にしてもらえたのも嬉しかったです。」
③ゆったりと余裕のある、土間と玄関
「社宅の狭い玄関では、2人が一度に靴の履き替えができませんでした。また、たくさんの靴で溢れかえる玄関が嫌いで、広い玄関スペースに憧れていました。 リノベーションにあたり、玄関側の窓に面して土間を作ることで、広い玄関と土間スペースを確保できたのが気に入っています。 寝室へは、もう一面壁を設けることができたので、外(通路)からの遮音効果や湿気防止にもつながってます。」
④建具サイズを合わせることで実現した、造作風の既成棚
「好きな雑貨や本を飾る大きな棚が欲しくて、造作してもらうつもりでいました。ですが、予想以上にコストが掛かることが判明。既成の棚(無印のスタッキングシェルフ)を利用することに方向転換しました。 既成の棚にぴったりと合うよう、事前に建具をサイズ調整していただいたので、コストを抑えながらも造作家具のような雰囲気に仕上がっています。」
⑤憧れのソファが似合う空間であること
「お気に入りのトラックファニチャーのFKソファー。 新居購入時には、このソファーを買おうとずっと夢に描いてました。 そして、このソファーに見合う家にしたいっていうのが、うちのリノベーションの全てだった気がします。」
リノベーションを振り返ってみて、いかがでしたか?
「自分の思いを反映できたことで、他にはない自分だけの家になったことにひときわ、満足感を得られました。改めてリノベーションしてよかったと感じます。
キッチン、トイレ、お風呂など水回りの設備も新築物件と変わらず、マンション自体の築年数の経過を感じることがないのも嬉しい点です。
大変だったことは、工事の費用をいかに抑えるかでした。予算を800万円と決めていたので、やりたいことと諦めることの線引きに苦戦しました。
家具などを造作してもらうと割高になるので既成の家具で代用したり、施主支給という形でネットオークションから部材を購入したり、施工会社で余っていたレンガやタイルなどを譲っていただいたりもしました。(※キッチンのレンガやトイレのタイルはお金がかかってません。)
最終的には小さな額の積み重ねが、総費用に響いていくことを実感しました。また、ペットを飼っているので、洗面台は実用性を重視して既成のものを取り入れましたが、今ではもう少しこだわりたかったかなとも感じてます。
あとは寝室を和室の小上がりにしたいな……とか、庭をウッドデッキにしようかな……とか考え中です。まだまだ未定です。
いまの家に不満はないものの、リノベーション前にRoomClipにある素敵なお宅を知ることができていたら、もう少し違う間取りやデザインになっていたのかなとよく考えます。」
お話をお伺いして
自分で設計・デザインした家に住みたい……持ち続けた明確なビジョンを形にできるのは、リノベーションだったとtaka55さんは振り返ります。ガラスの間仕切り壁や既成の棚に合わせた建具のサイズの調節などは、リノベーションならではの施工ではないでしょうか。憧れのトラックファニチャーのソファを主役にしたインテリアも、そうして生まれた空間の中で一層、洗練されて見えます。
taka55さんのリノベーション体験の中で特徴的なのは、施工会社が施主の要望の上をいく提案を出してくれているという点です。これは、taka55さんのビジョンがきちんと施工会社側へ伝わっているから実現するやりとり。これから家をつくろう、そうお考えの方は、ぜひ、taka55さんをはじめRoomClipユーザーさんたちのアイデア溢れる素敵なインテリアをチェックしてみてください。次第に、自分だけの理想の住まいの形が浮かび上がってくるはずです。
taka55さんのお住まいについて
- 所在地: 広島県広島市
- 物件種別: マンション
- 建築面積: 64.35㎡
- 間取り: 2LDK?+ウォークインクローゼット
- この家に住む人: 僕、嫁、犬、うさぎ
- 施工期間: 1ヶ月
- 総費用: 780万
- 設計: 株式会社BST
taka55さんはご紹介した他にもRoomClipに素敵なインテリアを投稿していらっしゃいます。ぜひご覧下さい!
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