中古住宅を購入し、住まい手のライフスタイルにあった形にガラリと変える「リノベーション」。この連載では「施主目線」に立ち、リノベーションでなければならなかった理由やパートナーを選んだ基準、そしてこだわりポイントを掘り下げます。
今回は、福岡県にお住まいのshokoさんにお話をお伺いしました。shokoさんは、お子さんが生まれ、生活が変化してきたのをきっかけに2LDKの賃貸物件から引っ越し、ご主人の実家をリノベーションされました。目指したのは「ただ新しいきれいな家ではなく、どこか古さを感じさせる味のある家」。実家のリノベーションで見えてきた、継ぐ者の思いと家族の暮らしの変化。どのようなリノベーションになったのかさっそくみていきましょう。
今回教えてくれたユーザーさん♪
主人、私、息子2人の4人暮らし。元々、インテリアや間取りを見るのが好きで、日々妄想をしていたお家バカです(笑)そんな私が、主人の実家に住むことになり、自分の好きをたくさん詰め込んだお家が2017年にできあがりました。
そもそも家探しをしようと思ったきっかけは何ですか?
「以前の家は2LDKで夫婦2人が住むには十分な広さでした。 ですが、子どもが生まれ、いろいろな物が増えていくうちに、収納しきれない物がいたる所にあふれ、掃除しても片付いた感じがせず、収納道具を増やしても結局その分部屋は狭くなり。 どうやっても満足のいく暮らしができなくなってきたのをきっかけに引越しを考えるようになりました。」
どうして、リノベーションじゃなければダメだったんですか?
「それは、どうしても自分好みの家に住みたかったからです。もともと、インテリアに興味があって家具屋さんを見て回ったり、インテリアやおうちが載った雑誌を見たりするのが大好きでした。
その中でも、特に好きなテイストが海外インテリアでした。
子どもが生まれ、そろそろマイホームをと思い、情報収集しだした時に新築物件を見てもネットや雑誌を見ても、私が憧れていた海外インテリアの本に出てくるようなおうちは見つかりませんでした。
そんな時に、主人の実家を譲り受ける話になり、私が望む海外インテリアはリノベーションで実現できると分かりました。
私が住みたかったおうちは、ただ新しい・綺麗な家ではなく、どことなく古さを感じさせる味のあるおうちだったからです。
新築にはない、そのおうちの歴史を感じながらも自分好みの家にしたかったから、リノベーションは私にとって最適な方法でした。」
リノベーションという選択肢を考えたきっかけと、情報&依頼先の探し方を教えてください
「もともとインテリア雑誌が好きなので、リノベーションのことはなんとなく知っていました。
マイホームを考え出してからは、リノベーション専門の雑誌を購入したり、リノベーションを得意とする会社を何社か訪問しました。
依頼先は正直言って最初は金額で探しました。
何社かに見積もってもらいましたが、元の間取りからそんなに変わっていないのにそこそこの金額を提示され、どうしようか悩んでいた時に、最終的に施工してもらった会社の提案を見たら、元の家の間取りからガラッと変わっているのに金額は良心的でした。想像していなかった間取りを提案してくれたので、一気に興味を惹かれました。」
実際にできあがった家を見たときは、どう思いましたか?
「完成したうれしさと、これからの生活のワクワクしかありませんでした。 今までの賃貸と違い、子ども達に「走らない!」「騒がない!」と怒らなくて良くなり、親子共々ストレスが減ったと思います。 造作で作ってもらったキッチンが、まさに私が夢見た海外インテリアの雑誌に出てきそうな仕上がりで、キッチンに立つのがすごく楽しくなりました。 料理の腕は上がっていませんが、毎日のキッチンリセットは頑張っています。」
特に気に入っている場所はどこですか? 5つ教えてください
①座卓の生活から椅子の生活へ
「今までの賃貸では、部屋が狭いのでなるべく家具は低いものを使って生活していましたが、そうすると床に物が散乱してしまうんですよね。 私たちがそうしてるから、当然子ども達もおもちゃを散らかしっぱなしで。 新しい家になってからは、椅子での生活に切り替え、床に物を置きづらくしました。 そのおかげで、たとえテーブルに一時置きしてもすぐに片付けるようになり、自然と使ったら元に戻す習慣が身に付いてきました。」
②無垢の丸テーブルとアンティークチェア
「ダイニングテーブルは、円卓と決めていました。 家族4人ゆったり座れる大きさで探しましたが、なかなか希望のものに出会えず、施工会社に造作してもらうことにしました。 テーブルの大きさ、厚さ、脚の素材や大きさまで、自分で決めることができ、世界に1つの丸テーブルが完成しました。 チェアは、アンティークショップを何件も回り、やっと見つけたお気に入りのものです。予算はオーバーしましたが、ずっと付き合っていきたいと思えるチェアに巡り合ったのでメンテナンスをしながら大切にしたいと思っています。」
③ブラスバーを使った造作の玄関ドア
「おうちの顔の玄関ドアは、一般的なドアにはしたくありませんでした(笑)。 そこで見つけたのが、ショップなどでみる横向きに取り付けるブラスバーでした。 もうこれしかないと思いました。 このブラスバーに合わせて、玄関ドアも造作してもらい、それに合わせてfutagamiの表札をつけて、思い描いた通りの玄関になったと思います。」
④海外インテリアのような造作キッチン
「大きな窓、サブウェイタイルをポイントにしたキッチンです。 もともと掃き出し窓があった場所なので、キッチンの高さに合わせて窓を小さくしてもらい、白いタイルでさらに明るくしてもらいました。 この正方形の大きなタイルは、コーディネーターさんが探してきてくれたものですが、とてもお気に入りです。 作業場所が広いL型キッチンも、棚の幅や高さ、材質についてもデザイナーさんといろいろ話し合い決めた思い出深い箇所です。」
⑤1階に作ったファミリークローゼット
「家族4人分の服が入るファミリークローゼットは必須でした。 我が家は生活のメインが1階なので、2階にある寝室にいちいち服を収納するのが面倒で。 家事動線を考えて、1階で全て完結できるように設計してもらいました。 玄関入ってすぐにこの部屋を設けることで、主人も荷物をリビングに持ってくることがなくなり、帰宅ーファミリークローゼットで着替えの流れが自然と生まれました。 主人の荷物が置きっぱなしになっていることがプチストレスだったので、それが自然と解決できたことも良かったです。」
リノベーションを振り返ってみて、いかがでしたか?
「我が家は主人の実家を譲り受けることになったので、必然的にリノベーションをすることになったのですが、耐久性や耐震性は家をスケルトンにしてみないと正確には分からなかったので不安でした。
古い家なので、補修箇所は予想していたより多く費用がかかりましたが、そこは覚悟していた箇所でした。
ただ、それでも一から家を建てるよりは、かなり費用は抑えられていると思います。
その分、欲しかった家具や設備に投資することができ、とても満足しています。
また、主人の思い出の実家を、私たちが自分たちのスタイルで引き継いでいけることも嬉しく思っています。
こうしておけばよかったこととしては、コンセントの位置を修正したいです。
コンセントを決める時期が、打ち合わせ最後の方でもう疲れていたのか、考えていたはずが微妙に使いにくかったり、足りなかったりで。
生活していく自分をもっと想像して位置決めをすればよかったなと思います。
洗面所やファミリークローゼットの床にPタイルを使っているのですが、掃除もしやすく夏は気持ちがいいのですが冬が寒い!
靴下無しでは過ごせません。
もう一度施工できるなら、違う素材を採用したいです。」
お話をお伺いして
ご主人の実家を譲り受け、自分の好みの海外テイストの家を目指しリノベーションを決意されたshokoさん。剥き出しの梁天井やキッチンの腰壁、造作キッチンなどは、まさにリノベーションならでは。自然素材と無機質な素材の融合した海外スタイルが魅力的です。また、座卓から椅子生活に変化させたり、クローゼットは動線を考慮した位置にしたりとリノベーションでライフスタイルも大きく変化しました。家族がストレスなく過ごせる暮らしもリノベーションで手に入れたもの。 shokoさんは「家の歴史を感じながらも自分好みの家にしたかった」と語ります。かつては、ご主人が育ち、思い出の詰まった家。その同じ場所で、新しい歴史を積み重ねていく暮らしをshokoさんは選択されました。そこは、新築住宅にはない、味わいと家族の長い歴史が存在します。今までを大切に、自分たちスタイルで引き継いでいく暮らしは、リノベーションだからこそ叶えられるものですね。
shokoさんのお住まいについて
- 所在地: 福岡県
- 物件種別: 戸建て
- 建築面積: 135平米
- 間取り: 5LDK
- この家に住む人: 主人 私 長男 次男
- 施工期間: 6ヶ月
- 設計: ラントマン
shokoさんはご紹介した他にもRoomClipに素敵なインテリアを投稿していらっしゃいます。ぜひご覧下さい!
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