「そこにあるものをすべて生かし、感性を輝かせて育む古民家との暮らし」 by gitanさん

「そこにあるものをすべて生かし、感性を輝かせて育む古民家との暮らし」 by gitanさん

RoomClipに登録された新しいユーザーさんの中から、毎回お一人をピックアップしてご紹介する本連載。今回は、郷愁を漂わせる味わい深い古民家暮らしを楽しまれているgitanさんと、そのお家づくりの軌跡をご紹介していきます。ゆっくり焦らず、じっくりと……今その瞬間を大切にできる魅力的な生き方がそこにはありました。

今回ご紹介するのはこの方です!

5年前に断捨離にハマりものを減らし続け、『仕事も減らそう』と10年続けた自営業を辞め、『家も減らそう』と賃貸を解約しました。たまの海外旅行を癒しに、車に荷物を積みリゾートバイトで全国を転々……。ただ、ふと『主導権を握れる空間って必要だな』と思い至り、築50年の古民家を購入し、DIYしながらリゾバ生活を継続しています。Instagram:@forestcrabfield

和して同ぜず、趣が深まる住まい

時代を忘れる突き抜けた空間

ある時、断捨離の魅力に気が付き火が付いたgitanさんは、あらゆる『拘束』から物理的にも精神的にも自身を解き放つような暮らしにたどり着きます。そして、そんな暮らしを今も継続中なのだそう。でも、帰れる場所、自分の居場所も欲しいな……と長閑な田舎にある築50年の古民家を購入し、ゆっくりとセルフリノベーションを施されています。写真は作業途中のメイン玄関の光景です。現代という時代背景をスーッと忘れさせてくれる眺めに、ふと心奪われます。

玄関をあがり、2畳ほどの空間を抜けると待っているのはgitanさんイチオシの台所です。古き良き時代そのものにトリップしたような、不思議な感覚に胸が高鳴ります。現代らしい存在感を出してしまいそうな家電も、真新しいものではなく使い込まれた印象で昭和レトロ感に馴染んでいるのが素敵です。

キッチンで目を惹くのは、正面にある木枠×昭和型板ガラスの窓です。素朴な風合いと心地良い採光を叶えてくれるだけでなく、この窓をフレームに見る向こう側の景色の良さもお気に入りだとgitanさんは語ります。景色で縁取られた、吊り下げ収納のキッチンツールたちの姿もまるでアートのよう。日常や生活感の中には思いの外たくさんの『素敵』が転がっているのかもしれない……そう感じさせてくれる一枚です。

焦らない心地良さと、削ぎ落した先の身軽さ

gitanさんは、古民家リノベーションを焦りません。例えば、床の間はあえてしばらく床を貼らずにウッドデッキのように使用されるそうです。気候が暖かく、作業しやすくなってからのんびりと……という算段だと教えてくれました。寒い季節に無理をせず、せっかくなら今しか味わえない状態を楽しむのも手です。セルフリノベーションならではの醍醐味ですね♪古い建物ゆえの床の軋みや窓のカタカタ鳴る音なども、今この家だから感じられる風情やリズムと、gitanさんはポジティブにとらえます。この大らかな心の在り方は、せわしない現代の中で見失いがちな豊かさではないでしょうか。

また、gitanさんの暮らしの特徴は『削ぎ落とす』断捨離にもあります。無駄を余分を、しがらみを削ぎ落としてきたからこそ、身も心も軽く豊かに生きられるのかもしれません。こちらは寝室です。布団の代わりに寝袋を使用されているのだそう。いつかは布団をそろえる日が来るかもしれませんが、十分快適なら焦ってスタンダードなカタチにこだわらなくてもいいんだと気が付きます。人の評価や常識、そんなものからも一度自由になってみると、同じ場所でも今まで見えてきたものとは違う世界が広がりそうです。

快適へ、じっくりと着実に進んでいく

セルフリノベーションだからこそ、気が付いたときに気が付いたところに必要を加えることができます。こちらは、部屋と部屋をつなぐ通路だった部分に、床板と壁、支えを入れてつくったクローゼットです。パッと見だと、押し入れを改造したようにも思える完成度と安定感、ナチュラルさがお見事です。自分の手でつくるのは、手間や時間がかかることもあります。でも『長い人生、焦らず丁寧にやっていけばいいじゃない!』gitanさんの家づくりのひとつひとつを見ていると、そんな声が聞こえてくる気がします。

古い建物なので、断熱材も施されていなかったのだそうです。だから、一箇所ずつご自身の手で……。汗をかき、汚れながら、一生懸命手を掛けた分、体感だけでなく雰囲気や気持ちも暖かくしてくれるのではないでしょうか。

gitanさんの家づくりと暮らし方は、そこにあるものや、流れる時間に自然と身を任せています。自分たちの好みに家を染めるのではなく、家の趣に寄り添うような印象を受けました。でも、そこに自分たちの感性も家の雰囲気に飲みこまれないようバランスよく調和させているも確か。そんな『和して同ぜず』すべてを生かすgitanさんの家づくりの素敵なメソッドや精神をぜひ、参考にしてみてください。

gitanさん邸の間取り図

gitanさん宅は4LDKの平屋です。玄関は家族が使うメインと、客間へ直接入れるゲスト用があります。日本のおもてなしの心が生きる、古民家ならではの間取りも魅力のひとつです。

gitanさんへの5つの質問

RoomClip mag編集部
RoomClip mag編集部

お部屋のインテリアテーマやこだわっていることを教えてください

gitanさん

好きなインテリアを所有するというよりも、『空間に違和感なく存在する』ことに重きをおいています。 市場で価値がないと判断されたものは、大抵の場合、安価に陳列されます。その中からおもしろいと感じたもの・自分たちにとっては価値のあるものを見出す作業は楽しいですね。そうこうしているうち、世間的に価値があると判断されたものを消費しない生活になってきていると思います。

RoomClip mag編集部
RoomClip mag編集部

インテリア関連の好きなブランドやショップを教えてください

gitanさん

シンプルでクセがなくて安い、IKEAをよく利用しています。リサイクルショップを覗いて気になるものを探すことも多いです。

RoomClip mag編集部
RoomClip mag編集部

インテリア関連で最近買ってよかったものがあれば教えてください

gitanさん

国産の木綿の蚊帳を買いました。実用性もデザイン性も我が家に馴染んでいてとても良いです。

RoomClip mag編集部
RoomClip mag編集部

インテリア以外でこだわっているモノやコトを教えてください

gitanさん

断捨離した際に、器と着物はどうしても処分できませんでした。必要以上に大量に所有してるのに未だに手放せず、さらに購入しています。

RoomClip mag編集部
RoomClip mag編集部

RoomClipでやってみたいことや期待していることがあれば教えてください

gitanさん

他のユーザーさんの投稿を見ていると、たくさんの刺激をいただきます。参考にしながら完璧に真似るのでなく、どこかに自分たちなりのエッセンスを入れて、オリジナルを求めていこうと思います。これからは縁側から見える景色もつくっていきたいので、『庭』のカテゴリが増えたら嬉しいです。

gitanさんのお部屋ギャラリー

クリックすると大きいサイズでみることができます。


gitanさんはご紹介した他にもRoomClipに素敵なインテリアを投稿していらっしゃいます。ぜひご覧下さい!

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