数ヶ月前にメゾネットから一軒家へ引っ越しました。 家賃に比して広々とした家で、写真の通り立派な和室もあります。 これまで賃貸を転々としてきましたが、久々に和室のある物件です。やはり日本人たるもの和室があると落ち着きます。 モダンなデザインを合わせて和モダンとして楽しむのも素敵ですが、あまり飾り立てずに、シンプルに、静かに楽しむのも良いものですね。床の間に飾ったのは地元の蚤の市で手に入れた掛軸です。暑い季節に飾って涼が得られそうな意匠のものを選びました。 この和室は8畳間で、奥には床の間や明かり窓が設えてあります。控え目ながらも見事に陰影が生まれ、静けさだけでなく荘厳さも感じます。谷崎の陰翳礼讃でいうところの『われわれ東洋人は何でもない所に陰翳を生ぜしめて、美を創造する』という具合でしょうか。この和室という様式を生み出し洗練させてきた過去の天才たちには敬服するしかありません。