やっぱり夏は暑くないと、って思ってたけど、いざ暑くなると迷惑。
Naoki.の部屋
12『お月様の月への手紙』 拝啓 それはまるで靴の中に入り込んだ小さな石ころのように、わずかな、でもはっきりとした存在でした。何度払いのけても出て行こうとしません。むしろ追い払おうとするごとに心の奥へ奥へと入り込んでいくのがわかります。何処から入ってきたのかもわからないのに、一向に出て行ってくれないこの違和感の正体について、僕は僕なりの答えを出して、少しずつ向き合おうと思います。そうすることで、君の負担を少しでも軽くすることができるかな? だって、そうしないことにはお互い何処にも辿り着けないよね? ねえ、僕は今またこんな時間に手紙を書いています。夜から朝にかけてのいつもの時間帯。あんなに黒く塗り潰されていた空の色が、いつの間にかぼんやりと薄く白くなる時間帯です。いつもと違うのは、猫たちがぞろぞろと起き出して、「何してるんですか? ご飯の時間なのですか?」って顔をしてテーブルの下から見上げていることです。あのご飯を訴えるときの彼(猫)らの目については、君もよく知っていると思うけど、人生においてなかなか抗うことのできにゃい……失礼、できないことの一つではないかと思います。それを無視だか拒否しようものなら、壁をガリガリやられてしまうのはもちろんですが、僕の心の奥のとても深い底の方で、何かがチクっと痛みます。でも仕方ないよね。あげ過ぎれば太ってしまうから。なので、今日も心を鬼にして「ダメだよ。さっきあげたでしょ?」と言って、まるで子猫をあやすように(もう子猫じゃないけど)、ゆっくりと諭すしかないのです。まだご飯をあげるには早過ぎる時間だからね。 猫は不思議ですね。さっきまでにゃあにゃあ騒いでいても、しばらく放っておくと、気がつけば静かにすやすやと眠ってしまいます。声をかけても片目をちらっと空けて、尻尾で返事をする程度です。ちょっとしたことなら、すぐに忘れてしまうのかな? 僕なんて、嫌なことがあるといつまでも途方もなく相手が呆れてしまうまでしつこくぐちぐち言ってしまうタイプなので、相手が呆れてしまう前に自分自身に呆れてしまうことがあります(「確かに」って声が何かテーブルの下から聞こえてきましたが、とりあえず無視することにしました)。 簡単なことほど難しいことが多いこの世の中は、何だかたまに息苦しくなりませんか? ひとつの問題をクリアしても、また次の問題が現れる。それをクリアしたとしても、またすぐに次の問題が現れる。その繰り返し。もしかしたら人間というのは、わざわざ何かの問題を自ら探してしまう生き物なのかもしれない、と最近になって思うようになりました。多分誰もが幸せを望んでいるくせに、いざ幸せになると、その幸せに慣れないがために、周りをキョロキョロと見回してしまうんだと思います。ちょうど、病気を恐れて何回も繰り返し検査をし続けるのと同じように、問題を見つけることで、実は心の何処かで「ほらね、やっぱり」と安心してしまっているのかもしれませんね。あんまり信じたくないけど。。 君の思う幸せって、何ですか? ごめんなさい。ひとことでは難しいよね。 あ、猫がまた思い出したかのようににゃあにゃあ鳴き出したので、ちょっと外に散歩に出てきます。続きはまた。 敬具
暑いと暑すぎると言って文句を言い、 寒いと寒すぎると言う。 それが人間なんですわ笑
やっぱり夏は暑くないと、って思ってたけど、いざ暑くなると迷惑。
12『お月様の月への手紙』 拝啓 それはまるで靴の中に入り込んだ小さな石ころのように、わずかな、でもはっきりとした存在でした。何度払いのけても出て行こうとしません。むしろ追い払おうとするごとに心の奥へ奥へと入り込んでいくのがわかります。何処から入ってきたのかもわからないのに、一向に出て行ってくれないこの違和感の正体について、僕は僕なりの答えを出して、少しずつ向き合おうと思います。そうすることで、君の負担を少しでも軽くすることができるかな? だって、そうしないことにはお互い何処にも辿り着けないよね? ねえ、僕は今またこんな時間に手紙を書いています。夜から朝にかけてのいつもの時間帯。あんなに黒く塗り潰されていた空の色が、いつの間にかぼんやりと薄く白くなる時間帯です。いつもと違うのは、猫たちがぞろぞろと起き出して、「何してるんですか? ご飯の時間なのですか?」って顔をしてテーブルの下から見上げていることです。あのご飯を訴えるときの彼(猫)らの目については、君もよく知っていると思うけど、人生においてなかなか抗うことのできにゃい……失礼、できないことの一つではないかと思います。それを無視だか拒否しようものなら、壁をガリガリやられてしまうのはもちろんですが、僕の心の奥のとても深い底の方で、何かがチクっと痛みます。でも仕方ないよね。あげ過ぎれば太ってしまうから。なので、今日も心を鬼にして「ダメだよ。さっきあげたでしょ?」と言って、まるで子猫をあやすように(もう子猫じゃないけど)、ゆっくりと諭すしかないのです。まだご飯をあげるには早過ぎる時間だからね。 猫は不思議ですね。さっきまでにゃあにゃあ騒いでいても、しばらく放っておくと、気がつけば静かにすやすやと眠ってしまいます。声をかけても片目をちらっと空けて、尻尾で返事をする程度です。ちょっとしたことなら、すぐに忘れてしまうのかな? 僕なんて、嫌なことがあるといつまでも途方もなく相手が呆れてしまうまでしつこくぐちぐち言ってしまうタイプなので、相手が呆れてしまう前に自分自身に呆れてしまうことがあります(「確かに」って声が何かテーブルの下から聞こえてきましたが、とりあえず無視することにしました)。 簡単なことほど難しいことが多いこの世の中は、何だかたまに息苦しくなりませんか? ひとつの問題をクリアしても、また次の問題が現れる。それをクリアしたとしても、またすぐに次の問題が現れる。その繰り返し。もしかしたら人間というのは、わざわざ何かの問題を自ら探してしまう生き物なのかもしれない、と最近になって思うようになりました。多分誰もが幸せを望んでいるくせに、いざ幸せになると、その幸せに慣れないがために、周りをキョロキョロと見回してしまうんだと思います。ちょうど、病気を恐れて何回も繰り返し検査をし続けるのと同じように、問題を見つけることで、実は心の何処かで「ほらね、やっぱり」と安心してしまっているのかもしれませんね。あんまり信じたくないけど。。 君の思う幸せって、何ですか? ごめんなさい。ひとことでは難しいよね。 あ、猫がまた思い出したかのようににゃあにゃあ鳴き出したので、ちょっと外に散歩に出てきます。続きはまた。 敬具
暑いと暑すぎると言って文句を言い、 寒いと寒すぎると言う。 それが人間なんですわ笑