さて、暑い
Naoki.の部屋
9『お月様の月への手紙』 拝啓 「あなたねえ、それは病気よ?」と彼女(猫)が突然僕に言いました。「あなたみたいな人、何年かに一度は出てくるみたいだけど、あまたまでの人はあまりいないわねえ。はっきり言って、異常だと思うわ。はっきり言って」 「そうは言ってもねえ」と僕ももちろん言い返しました。言い返さずにはいられなかったのです。「そうは言っても、好きなんだから仕方ないと思うんだよね。もちろん表現の方法をとやかく言ってるんだろうけど、それが間違っているとも思えないし、第一誰にも迷惑をかけていないと思うんだけど。だって、手紙を書いてるだけだよ?」 「ふん。それが異常なのよ」 実際のところは、にゃあにゃあ言ってるだけなんだけど、こうして手紙を書こうとする度に、いやに彼女(猫)が絡んでくるのです。おそらく嫉妬しているんじゃないかなあと僕は思ってます。おそらく。君はどう思う? 「気持ち悪い」と何処かから聞こえた気がするけど、き、気のせいだよね。もしかすると君とうまく付き合っていくためには、まず彼女(猫)に対して、まともなミルクとまともなカリカリを差し出すことが必要なのかもしれません。まあそれはもちろん僕が用意しておきます。だから気にしないでください。 冗談はさておき(本当に冗談なのかは今は置いといて)、先日の東京タワーはとてもきれいでしたね。皇居をぐるりと回り、いくつかの信号を越え、靖国の提灯を通り抜け、カフェで一息つく。そしてまた都内をぶらりと散歩し、木々に囲まれた東京タワーを目指す。 「本気の靴があれば、永遠と歩けるの」と君は言ってたけど、確かにスニーカーに履き替えた君は、とても活き活きとして見えました。僕はそんな君を眺めながらいつものように「好きだよ」なんて軽く言ってしまったけど、あまり言葉にするとその想いも薄っぺらに思われてしまうといけないから、少しは黙って微笑むことを覚えようと思います。この純粋な想いが劣化することはありえないけど、特別なときにだけ特別な方法で、きちんと自分の気持ちを伝えた方がより伝わるんじゃないかと思うから。でも、結局また君の一挙一動を見ながら「好きだよ」なんて言うんだろうけどね。確かに病気かもしれません。ミシェルの言う通り。 この前なんて、眠ってしまうのがもったいなくて、寝ている君を横で眺めていたんだけど、ふいに君が目を覚まし 「良いことを思いついたわ。ねえ、これからはあなたの隣りじゃなくて、後ろをついて歩くの」と言い出しました。僕はびっくりして「突然どうしたの?」と聞いたら君は「ちゃんと聞いて。そうすればね、うん。後ろ姿をずうっと眺めていられるでしょ?」と答えました。そのときはそのまま眠ってしまいましたが、僕が翌朝になってその話をしたとき、「そんなこと言った?」と言ってまるで覚えてなかったみたいだけど(寝ぼけてたみたいで)、そのとき僕は、例えるのが難しいほどの幸せを感じていました。ちょっとうまく言い表せないし、月並みな表現になってしまうかもしれないんだけど、それはまるで、砂漠に放り出されてひどく喉が渇いているときに差し出された一杯の水のような、若しくは暗い森の中を彷徨っているときに突然木々の隙間から差し込んできた月の明かりに癒やされるような、そういうふわふわとした幸せな気持ちに包まれていたのです。 伝わるかな? 僕はいま幸せです。 猫がにゃあと鳴いて、それを君と二人で眺めている。 「お腹が空いたの?」と猫に訊ねると「わたしも空いた!」と君が答える。 そしてワインを注ぎ、君の好きなサラダを添える。 僕もそれに少しだけ付き合う。 言いたいだけの争いや、時間だけが無駄に過ぎていくケンカはもうしたくないよね。 いくつかのまだ少ない思い出を頼りに、いくつかの新しい思い出をまた築いていければ、この気持ちが永遠のものになるような気がしてなりません。 それではまた手紙を書きます。次は猫が寝ている間に。 敬具
@Naoki. さん☆ 今回の手紙も~ほっこり☆幸せな気持ちになりましたよ~❤(* ̄∇ ̄)ノ 次回は、、、、どうなるかな? 楽しみ~♪
しまった‼ また小説だけをみて感動していたぁ(笑)でわ、お部屋の写真も見まーす
さて、暑い
9『お月様の月への手紙』 拝啓 「あなたねえ、それは病気よ?」と彼女(猫)が突然僕に言いました。「あなたみたいな人、何年かに一度は出てくるみたいだけど、あまたまでの人はあまりいないわねえ。はっきり言って、異常だと思うわ。はっきり言って」 「そうは言ってもねえ」と僕ももちろん言い返しました。言い返さずにはいられなかったのです。「そうは言っても、好きなんだから仕方ないと思うんだよね。もちろん表現の方法をとやかく言ってるんだろうけど、それが間違っているとも思えないし、第一誰にも迷惑をかけていないと思うんだけど。だって、手紙を書いてるだけだよ?」 「ふん。それが異常なのよ」 実際のところは、にゃあにゃあ言ってるだけなんだけど、こうして手紙を書こうとする度に、いやに彼女(猫)が絡んでくるのです。おそらく嫉妬しているんじゃないかなあと僕は思ってます。おそらく。君はどう思う? 「気持ち悪い」と何処かから聞こえた気がするけど、き、気のせいだよね。もしかすると君とうまく付き合っていくためには、まず彼女(猫)に対して、まともなミルクとまともなカリカリを差し出すことが必要なのかもしれません。まあそれはもちろん僕が用意しておきます。だから気にしないでください。 冗談はさておき(本当に冗談なのかは今は置いといて)、先日の東京タワーはとてもきれいでしたね。皇居をぐるりと回り、いくつかの信号を越え、靖国の提灯を通り抜け、カフェで一息つく。そしてまた都内をぶらりと散歩し、木々に囲まれた東京タワーを目指す。 「本気の靴があれば、永遠と歩けるの」と君は言ってたけど、確かにスニーカーに履き替えた君は、とても活き活きとして見えました。僕はそんな君を眺めながらいつものように「好きだよ」なんて軽く言ってしまったけど、あまり言葉にするとその想いも薄っぺらに思われてしまうといけないから、少しは黙って微笑むことを覚えようと思います。この純粋な想いが劣化することはありえないけど、特別なときにだけ特別な方法で、きちんと自分の気持ちを伝えた方がより伝わるんじゃないかと思うから。でも、結局また君の一挙一動を見ながら「好きだよ」なんて言うんだろうけどね。確かに病気かもしれません。ミシェルの言う通り。 この前なんて、眠ってしまうのがもったいなくて、寝ている君を横で眺めていたんだけど、ふいに君が目を覚まし 「良いことを思いついたわ。ねえ、これからはあなたの隣りじゃなくて、後ろをついて歩くの」と言い出しました。僕はびっくりして「突然どうしたの?」と聞いたら君は「ちゃんと聞いて。そうすればね、うん。後ろ姿をずうっと眺めていられるでしょ?」と答えました。そのときはそのまま眠ってしまいましたが、僕が翌朝になってその話をしたとき、「そんなこと言った?」と言ってまるで覚えてなかったみたいだけど(寝ぼけてたみたいで)、そのとき僕は、例えるのが難しいほどの幸せを感じていました。ちょっとうまく言い表せないし、月並みな表現になってしまうかもしれないんだけど、それはまるで、砂漠に放り出されてひどく喉が渇いているときに差し出された一杯の水のような、若しくは暗い森の中を彷徨っているときに突然木々の隙間から差し込んできた月の明かりに癒やされるような、そういうふわふわとした幸せな気持ちに包まれていたのです。 伝わるかな? 僕はいま幸せです。 猫がにゃあと鳴いて、それを君と二人で眺めている。 「お腹が空いたの?」と猫に訊ねると「わたしも空いた!」と君が答える。 そしてワインを注ぎ、君の好きなサラダを添える。 僕もそれに少しだけ付き合う。 言いたいだけの争いや、時間だけが無駄に過ぎていくケンカはもうしたくないよね。 いくつかのまだ少ない思い出を頼りに、いくつかの新しい思い出をまた築いていければ、この気持ちが永遠のものになるような気がしてなりません。 それではまた手紙を書きます。次は猫が寝ている間に。 敬具
@Naoki. さん☆ 今回の手紙も~ほっこり☆幸せな気持ちになりましたよ~❤(* ̄∇ ̄)ノ 次回は、、、、どうなるかな? 楽しみ~♪
しまった‼ また小説だけをみて感動していたぁ(笑)でわ、お部屋の写真も見まーす