尾崎人形 【 土鈴 饅頭割り人形 赤/緑/紫 】
饅頭割人形…人形の名前からも、一体何だろう?と思う不思議な人形です。
表情は、巷に流行るお笑い風でユニークな人形ですが、この人形も古くから伝わる尾崎人形の一つとして 次のような寓話と一緒に継がれてきました。
昔、お菓子がめったに口にすることが出来なかった時代のお話です。
この時代の子どもにとって、お母さんが作るお饅頭はこの上なく嬉しいものでした。
或るとき坊やが、お母さん手作りの饅頭をすぐ食べるのが勿体なくて、まだ温かい饅頭を両手に包み家から出たところ、 たまたま通りかった近所の小父さんがそれを見て、「坊やはお父さんが好きかい?お母さんが好きかい?」とからかいました。
坊やは大事な饅頭を半分にして両手に持ち 、「小父ちゃん!この左手の饅頭と右手の饅頭、どっちがうまいと思うね?」と問い返したということです。
小父さんの意地悪な問いに堂々と答えた坊やのように、「利口な子どもに育ちますように」と願いを込めて 子どもに持たせたり、或いは節句の飾りとして昔から饅頭割人形は人々に親しまれてきました。
いいお話だな〜と思いながらも、饅頭の餡がつぶ餡かこし餡か、まさか...チョコ餡!?などと考え、饅頭が食べたくなるのは私だけでしょうか?
尾崎人形は、陶磁器で盛んな佐賀県に700年以上も前より伝わる焼き物の人形です。
全国の陶磁器の中でも古くからの伝承を残す尾崎人形の起源は、1600年頃に誕生した有田焼よりも前といわれており、1281年の元寇(蒙古襲来)の際、捕虜となった蒙古の兵隊が人形を作り吹き鳴らし、遠い祖国を偲んだことが始まりと伝えられています。
佐賀の郷土玩具でもある尾崎人形は、落ちついた音色の土笛やカラコロッと転がるような音の土鈴など、昔懐かしい日本の玩具です。 成型から絵付けに至るまで全て手作業で作られているので、形も表情も1つずつ違い、手作りならではの味わいが楽しめます。
人形のモチーフは、ちょっと不思議な動物や子どもたち。どれもユニークな表情とカラフルな絵付けなので、お部屋に置いておくだけで明るく賑やかな雰囲気にしてくれます。
手づくりのため1つ1つ形や表情が違います。これも手作りならではの味わいとしてお楽しみ下さい。