それはまるで、恋人同士のように
Naoki.の部屋
24『お月様の月への手紙』 拝啓 聞こえますか? 今、外は雨。この分だと朝までこの雨が続きそうですが、きちんと温かくして布団に入っていても、すぐにタオルケットやら毛布やらをベッドの外にはじき出してしまう君を、僕は今日も心配しております。風邪をひいたら最後、長引いてしまうのはわかっているから、どうか身体を大事に休んでくださいね。 それにしても夜は冷えます。梅雨が終わったと思えば、すぐ台風の季節が来て、台風が過ぎた思えば、こうして次に始まった“秋の長雨”。この調子で雨が降り続けると、日本くらいだったらすべて水の中に沈んでしまうような気がしませんか? 僕は雨が降るといつもそんな錯覚に陥ってしまい、ちょっとばかり恐ろしくなります。 まあ、もちろんそんなことはありえないんだけど、でも、果たして本当にそうだろうか? という気持ちになるのです(しつこい)。 とはいえ、やはり早くやんでほしいものです。 それでも先日は、雨と雨の間に、ゆっくりと散歩することができましたね。 江戸川橋から首都高沿いを西に進み、目白通りを左に曲がる。椿山荘を左手に見つつ、カトリック教会、野間記念館、目白大運動公園(ふうん)、日本女子大学を通り過ぎるルート。道もそれなりに広く歩きやすいので、すっかりおなじみの散歩道になりました。 なかでも、田中角栄邸を見つけて一喜一憂している君は、とても無邪気で、とても微笑ましく思えました。そのことを君に告げると 「だって、今まで見つけられなかったのよ?」 と真剣な顔で言ってたけど、東と西とを間違えると朝陽が昇る瞬間に立ち会うことができないように、そりゃあ逆側の家ばかり見てたら気付けないよねえ。確かにあの家は周りと同化してわかりづらい場所ではあったけど、大通りに面しているし、割と大きくて立派な家だったと思わない? おなじみ、といえば、君が「喉が渇いたわ」と言ったとき、僕が持っていたミネラルウォーターを差し出すと、「わたしはね、仕事の時間以外はお酒しか飲みたくないの」という流れになるのも僕は意外と好きです。 そのセリフを何処かで言いたいし使ってみたいんだけど、お酒が飲めない僕としては、使う機会のないまま悶々とした日々を送っています。 いつか飲めるようになるのだろうか。飲んでも良いことなんてないのかもしれないけど、やっぱり憧れなのは、ホテルか何処かの洒落たバーで、スコッチをロックだかストレートでじっくりと飲むこと。ハイ・ボールくらいだったらまあ何とか飲めなくもないんだけど、あれは居酒屋みたいになっちゃうから、と思って。まあでもイメージ先行の憧れなんていうのは、多分、憧れのままでいいかなあ、って気はしてます。 そして、不忍通り、明治通りを越えると、目白から南長崎までしばらく何もないようなガランとした道が続き、山手通りに入ると途端に道は広くなり、ガヤガヤとした雰囲気に変わりました。 でもやっぱり僕はあの目白から南長崎までの、しん、とした雰囲気が散歩にはつきものじゃないかなあ、と思います。だって、僕と、君、その他は時折通り過ぎる車の音だけだから、静かにゆっくりと二人の会話を楽しむことができるしね。 今度は少し趣向を変えて、目的地を決めずに歩いてみましょう。 そうだ、中央線沿いから始めるのはどう思う? それではまた。 敬具
さん 6割ケンカ、3割無視、残り1割でいちゃいちゃですね笑
さん 素人小説家です^ ^
@Naoki. さん(๑•᎑•๑) 良いですネェ✨ 羨ましい♥(笑)
それはまるで、恋人同士のように
24『お月様の月への手紙』 拝啓 聞こえますか? 今、外は雨。この分だと朝までこの雨が続きそうですが、きちんと温かくして布団に入っていても、すぐにタオルケットやら毛布やらをベッドの外にはじき出してしまう君を、僕は今日も心配しております。風邪をひいたら最後、長引いてしまうのはわかっているから、どうか身体を大事に休んでくださいね。 それにしても夜は冷えます。梅雨が終わったと思えば、すぐ台風の季節が来て、台風が過ぎた思えば、こうして次に始まった“秋の長雨”。この調子で雨が降り続けると、日本くらいだったらすべて水の中に沈んでしまうような気がしませんか? 僕は雨が降るといつもそんな錯覚に陥ってしまい、ちょっとばかり恐ろしくなります。 まあ、もちろんそんなことはありえないんだけど、でも、果たして本当にそうだろうか? という気持ちになるのです(しつこい)。 とはいえ、やはり早くやんでほしいものです。 それでも先日は、雨と雨の間に、ゆっくりと散歩することができましたね。 江戸川橋から首都高沿いを西に進み、目白通りを左に曲がる。椿山荘を左手に見つつ、カトリック教会、野間記念館、目白大運動公園(ふうん)、日本女子大学を通り過ぎるルート。道もそれなりに広く歩きやすいので、すっかりおなじみの散歩道になりました。 なかでも、田中角栄邸を見つけて一喜一憂している君は、とても無邪気で、とても微笑ましく思えました。そのことを君に告げると 「だって、今まで見つけられなかったのよ?」 と真剣な顔で言ってたけど、東と西とを間違えると朝陽が昇る瞬間に立ち会うことができないように、そりゃあ逆側の家ばかり見てたら気付けないよねえ。確かにあの家は周りと同化してわかりづらい場所ではあったけど、大通りに面しているし、割と大きくて立派な家だったと思わない? おなじみ、といえば、君が「喉が渇いたわ」と言ったとき、僕が持っていたミネラルウォーターを差し出すと、「わたしはね、仕事の時間以外はお酒しか飲みたくないの」という流れになるのも僕は意外と好きです。 そのセリフを何処かで言いたいし使ってみたいんだけど、お酒が飲めない僕としては、使う機会のないまま悶々とした日々を送っています。 いつか飲めるようになるのだろうか。飲んでも良いことなんてないのかもしれないけど、やっぱり憧れなのは、ホテルか何処かの洒落たバーで、スコッチをロックだかストレートでじっくりと飲むこと。ハイ・ボールくらいだったらまあ何とか飲めなくもないんだけど、あれは居酒屋みたいになっちゃうから、と思って。まあでもイメージ先行の憧れなんていうのは、多分、憧れのままでいいかなあ、って気はしてます。 そして、不忍通り、明治通りを越えると、目白から南長崎までしばらく何もないようなガランとした道が続き、山手通りに入ると途端に道は広くなり、ガヤガヤとした雰囲気に変わりました。 でもやっぱり僕はあの目白から南長崎までの、しん、とした雰囲気が散歩にはつきものじゃないかなあ、と思います。だって、僕と、君、その他は時折通り過ぎる車の音だけだから、静かにゆっくりと二人の会話を楽しむことができるしね。 今度は少し趣向を変えて、目的地を決めずに歩いてみましょう。 そうだ、中央線沿いから始めるのはどう思う? それではまた。 敬具
さん 6割ケンカ、3割無視、残り1割でいちゃいちゃですね笑
さん 素人小説家です^ ^
@Naoki. さん(๑•᎑•๑) 良いですネェ✨ 羨ましい♥(笑)