「あんた、何か用なのか?」その猫は、やれやれといった様子で言った。「いや、まあ…猫だな、と思ってつい」僕はほんとに何も考えずに追っていた為、咄嗟にうまく言葉が出てこなかった。(猫に対しての気の利いたセリフが何なのかは今でもわからないけど)「そうか、まあ人間なんて、餌さえ与えてればわしらのことなんて簡単に手懐けられると思ってんだろうがな。どうせあんたもその口だろう」猫は少し遠い目をしながらそう言った。「餌?餌ですか、ああ確かに餌があれば、ああそうか、うーん確かに、コミュニケーションのひとつですよね。なるほど、うんうん、すみません、思いつきもしなかったです」と僕は、確かにそうですね、ともう一度言って腕を組んだ。そんなことしたことなかった。導入としてはありだな、でもそれは対等ではないな、と考えていると「あんた…変わってるな」と、その猫は呆れた顔で言った。少しその場の空気が緩んだ気がした。猫は「少し寒いな。ちょっと移動してもいいか?」と言って僕の返答を待たずにトトトとまた同じスピードで歩き出した。そしてしばらく行ったところの軒下で止まり、ごろんとその場に座って毛繕いをし始めた。錆びついたトタン屋根が特徴のその家屋には塀が無く、それは看護師のいない病院を連想させた。サイレンの鳴らない救急車。操縦桿のない飛行機。浮かばない船。猫はそこに長く住みついているようで、誰かが用意しているのであろう、食事と水の入った器がきちんと壁際に置かれていた。僕らはそこで少しばかり話をする。猫は笑い、僕も笑う。その猫はバケツ3杯分ほど話しても、まだまだ話題の底は無さそうで、色々なことを聞くことができた。30分ほど話しただろうか、僕は頃合いを見て「あの、たまに遊びに来てもいいですか?」と聞いた。「だいたいここにいるから構わんよ」と猫は言った。それが僕と山中さんとの出会いだった。
「あんた、何か用なのか?」その猫は、やれやれといった様子で言った。「いや、まあ…猫だな、と思ってつい」僕はほんとに何も考えずに追っていた為、咄嗟にうまく言葉が出てこなかった。(猫に対しての気の利いたセリフが何なのかは今でもわからないけど)「そうか、まあ人間なんて、餌さえ与えてればわしらのことなんて簡単に手懐けられると思ってんだろうがな。どうせあんたもその口だろう」猫は少し遠い目をしながらそう言った。「餌?餌ですか、ああ確かに餌があれば、ああそうか、うーん確かに、コミュニケーションのひとつですよね。なるほど、うんうん、すみません、思いつきもしなかったです」と僕は、確かにそうですね、ともう一度言って腕を組んだ。そんなことしたことなかった。導入としてはありだな、でもそれは対等ではないな、と考えていると「あんた…変わってるな」と、その猫は呆れた顔で言った。少しその場の空気が緩んだ気がした。猫は「少し寒いな。ちょっと移動してもいいか?」と言って僕の返答を待たずにトトトとまた同じスピードで歩き出した。そしてしばらく行ったところの軒下で止まり、ごろんとその場に座って毛繕いをし始めた。錆びついたトタン屋根が特徴のその家屋には塀が無く、それは看護師のいない病院を連想させた。サイレンの鳴らない救急車。操縦桿のない飛行機。浮かばない船。猫はそこに長く住みついているようで、誰かが用意しているのであろう、食事と水の入った器がきちんと壁際に置かれていた。僕らはそこで少しばかり話をする。猫は笑い、僕も笑う。その猫はバケツ3杯分ほど話しても、まだまだ話題の底は無さそうで、色々なことを聞くことができた。30分ほど話しただろうか、僕は頃合いを見て「あの、たまに遊びに来てもいいですか?」と聞いた。「だいたいここにいるから構わんよ」と猫は言った。それが僕と山中さんとの出会いだった。
素敵な写真入りの短編小説、 として、コーヒーと共にいつもゆっくり味わっています♪ Naokiさんの紡ぐ言葉のセンスが、大好きです(*^^*)
もちろん、インテリアも素敵( ☆∀☆)
@Rie さん ありがとうございます★フォトエッセイ的なやつの本が出せればいいんですけどね〜(と、調子に乗ってみるw)
@Naoki. さん♪ ぜひ、調子に乗って! 買いますから(’-’*)♪
@Rie さん 照れるー\(//∇//)\
フォローさせて頂きました。男前インテリア、参考にさせて頂きたです☆
@ayakorin さん ありがとうございます★僕もフォローさせてくださいね!
フォローありがとうございます!私のなんて…て感じですが、嬉しいです(^^)頑張ります宜しくお願い致します!
@ayakorin さん 本棚ステキですよ★今後ともよろしくお願いします!
ありがとうございます☆こちらこそです〜