公園に着くと、年老いた男性がひとりと子供ひとり、それとその母親と思われる女性の3人きりしかおらず、イソノさんの姿はなかった。まあ毎日居るということもないだろうと思ったので、特に気にはしなかった。僕は他の3人と等間隔になる場所を探し、年老いた男性の丁度反対側のベンチに腰を下ろした。特に意味はない。しばらくタバコを吸いながらぼんやりしていると、「悪いけど、そこはわたしの場所なんだけどね」と何処からか声がした。年老いた男性は離れたところに座っている。親子連れはまたその反対側で遊んでいる。何処からだろう。「もう一度言った方がいいかな?」はっ、と気がつくと僕の足元で“はちわれ”猫がこちらを訝しげに見上げていた。懐かしい毛並み、それは山中さんだった。「え!?山中さん!山中さんじゃないですか!」と僕は驚いて言った。「はぁ…探しましたよ…良かった元気そうだ。いやでも、しばらく見ないうちに随分変わったみたいですね、少し痩せましたか?」その“はちわれ”猫は眉間にシワを寄せたまま、僕から視線を逸らさずにまっすぐ向いて「わたしはあなたのいう“山中”という名前じゃないよ」と言った。「なるほど、随分変わったと思ったら、名前も変わってしまったんですね」…いや、そうじゃないか。あれ、おかしいな、そういえばよく見ると柄が少し違うし、身体つきもまだ幾分若いようだ。「悪いけど、猫違いだと思うよ」と“はちわれ”は言った。猫違い?「だからそこをどいてくれると有難いんだけどね」そう“はちわれ”は言い、僕がどくとそこのベンチの真ん中で丸まってスヤスヤと寝息を立て始めた。
公園に着くと、年老いた男性がひとりと子供ひとり、それとその母親と思われる女性の3人きりしかおらず、イソノさんの姿はなかった。まあ毎日居るということもないだろうと思ったので、特に気にはしなかった。僕は他の3人と等間隔になる場所を探し、年老いた男性の丁度反対側のベンチに腰を下ろした。特に意味はない。しばらくタバコを吸いながらぼんやりしていると、「悪いけど、そこはわたしの場所なんだけどね」と何処からか声がした。年老いた男性は離れたところに座っている。親子連れはまたその反対側で遊んでいる。何処からだろう。「もう一度言った方がいいかな?」はっ、と気がつくと僕の足元で“はちわれ”猫がこちらを訝しげに見上げていた。懐かしい毛並み、それは山中さんだった。「え!?山中さん!山中さんじゃないですか!」と僕は驚いて言った。「はぁ…探しましたよ…良かった元気そうだ。いやでも、しばらく見ないうちに随分変わったみたいですね、少し痩せましたか?」その“はちわれ”猫は眉間にシワを寄せたまま、僕から視線を逸らさずにまっすぐ向いて「わたしはあなたのいう“山中”という名前じゃないよ」と言った。「なるほど、随分変わったと思ったら、名前も変わってしまったんですね」…いや、そうじゃないか。あれ、おかしいな、そういえばよく見ると柄が少し違うし、身体つきもまだ幾分若いようだ。「悪いけど、猫違いだと思うよ」と“はちわれ”は言った。猫違い?「だからそこをどいてくれると有難いんだけどね」そう“はちわれ”は言い、僕がどくとそこのベンチの真ん中で丸まってスヤスヤと寝息を立て始めた。
さん 猫って一見柄が似てると同じに見えますよね(´Д` ) ってかまだ山中さんの話見てくれてる人がいて嬉しかったです!
今頃何をしているのやら… 続きが気になります(((o(*゚▽゚*)o)))
@0 さん 僕も続きが気になります! どうなるんだろう(´Д` )
さん 山中さんに関してはノンフィクションなので、続きは僕も気になりますね