日本の古い家屋は伝統的か否かに関わらず、断熱材が全く施されていませんので冬は寒いです。当地は日本でも有数の穏やかな気候ですが、気密性の高い集合住宅とは比較にならないくらい夜は冷えます。そこで頼もしいのがおこたです。しかし、こたつを置くと部屋が狭くなるし、天板の上にごちゃごちゃ物が増えて部屋が雑多になって審美的にマイナスになりがちです。そこでこたつの機能性は十分に審美的にもイケてるこたつとは何かを追求した結果、こたつの外装である天板と掛け布団をこだわり抜くという結論に達しまして、天板には木地の津軽塗、お布団はグレージュピンクのインド綿を選び、ブランケット、ブランケット留め、ムートンラグ、天板上の菓子器、ティッシュ入れ、リモコンスタンドなども全て暖色系のグラデーションで統一しまして、差し色にミンサー織の黄色を敷きました。この部屋は米沢かどこかの塗の和箪笥のある部屋で、その色味とも合わせて選びました。とても温かみのある空間に仕上がっていて冬はとても心地よいです。元々畳み間の六畳ですから狭くなっても構わないのです。この狭小な温かみある空間でおこたに当たってブランケットを頭から被ってムートン掛けの籐椅子に深く腰掛けて、ヒラリー・ハーンを聴いたり、掛けたお軸や生けたお花、飾った焼き物などを観てると時間の経つのがとても早ようて困っております(笑。こたつはヒーター部分は櫓の一回り小さくパーソナル用に付いていたものを外して、櫓だけ一回り大きなサイズのものをワンコインでリサイクルショップから購入して二個一にしたコスパ最強品であり、いろんな意味で無駄が無く美しいなと気に入っております。