-さんの部屋
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プラスチッククリーナー エコサート 500mL
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その他¥2,042
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ドライブデート、して参りました。…母親とwいや、とある場所に車で連れて行って欲しい、と頼まれまして。一応ライセンスこそ所持しているものの、自宅周辺を運転するのが瀬の山の彼女(片側二車線以上になると何故か須らく対向車線に侵入するという、信じられない胆力の持ち主だというのに、です)の、今回の目的地は街の中心部。つまり其処は彼女にとって、遥かガンダーラのその又遥か…三途の川の向こう岸の様な物。生きて帰るどころか、そもそも生きて辿り着く事すらも、到底不可能な幻の地なのです。更にガッチガチにガチめの方向音痴でもある彼女…単独で公共交通機関なんぞ利用させてしまった日には、地球の裏側どころか宇宙の深淵の先に迄、普通に到達してしまいそうな勢いです。極め付けには、父亡き後、「私、GITANESの運転じゃなきゃ絶対乗らない!他の人は運転下手くそで怖いし(いや、貴女が言うなw)、変な道走るから楽しくないんだもん!」と、謎の駄々を捏ねるというw母には言っていない事なので彼女は知りませんが、実は、自身がメルセデスオーナーになったのは、ただ偏に母の為です。個人的に車には全く以って興味は無いのですが、メルセデス好きだった父は生前、助手席に母を乗せ、時に無邪気にはしゃぎ、時に揺り籠に揺られる赤子の様に眠る母を、何処へだって望みの儘に連れて行き、必ず安全に連れ帰った。当にスリーポインテッドスター其の物の様な人間だった彼には、自然、メルセデスが良く似合いました。ですから、若くして父に先立たれ哀しみに暮れる母を、せめてメルセデスに乗せてやりたかったんです。父が生きていたならば、まだまだこの先何十年もそうしていたであろうのと同じ様に。そうして、元気付けてやりたかった。大丈夫、泣かなくてもいい、母さんは独りじゃないよ。何故って、貴女達の愛の結晶がいるから。貴女の愛する夫はこの血肉の中で生きているから、何も心配しなくていい。いつだって一番に護ってあげるから怖がらなくていい、安心していいんだ。楽しい所、綺麗な所…此れからも、何処へだって行けるよ。貴女の夫と一緒に。だから笑って、と。そんなこんなで、其の日は平日で普通に仕事だったのですが、途中で一旦切り上げ席を外しても、19時に仕事に戻れば大丈夫という事で、快く引き受けました。「お菓子いーっぱい持って来たの♪ジュースもお茶もあるよ♪♪」小さな子どもの様にはしゃぐ母を横目に、苦笑しつつ発進。カーナビを使わない主義は、父と同じ。きっと2人共、実存主義者なんだ。そう…この途中には確か、海岸に抜けるルートがあった筈だ。少し遠回りだけれど、時間には充分な余裕がある。折角走るのならば、綺麗な物を見せてあげたい…窓を全開にして、あの海岸沿いの道を走ろう。流れ星が翔ける様に。16時15分。無事、目的地に到着。16時半過ぎに着けばいい、との事だったので、マナーとしても合格だ。用事自体には然程時間は要さないという。済み次第直ぐに引き返せば帰宅ラッシュも避けられ、軽くなら食事に位は連れて行ってあげられそうだ。母をロビーのソファで待たせ、受付に来訪を伝えると、怪訝な顔で、何かのお間違えでは?と…「???そんな筈は…母に拠れば、4時半に此方に、と…」「…いえ、当方では承っておりません。恐らく別の所と勘違いされていらっしゃるのかも知れませんね…他に数軒御座いますから。担当の者が必ず名刺をお渡ししている筈なのですが、其方はお持ちでしょうか?」 「ああ、成る程!確かにそうですね。お名刺を頂戴しているなら話が早い。どうも有難う、お陰様で助かりました。」「母さん。どうも此処じゃ無いらしい。他に数軒ある内の何れかだろう、って。其の方からお名刺、頂いただろう?一寸見せて?」「え?名刺?貰ったけどお家に置いて来ちゃった。要らないと思って…」………なっ…?なんだと……⁈この女(アマ)…おっと、いかんいかん…他でもない母親に向かって「このアマ」は無いだろう。しかし、敢えて言わせてくれ。このアマ。菓子やなんかの要らん物は山程周到に持参したというのに、最も肝心な物を置いて来るとは一体どういう了見なんだ?ああ…、けれど考えてもみろ、GITANES。そもそも御前という奴は、30年以上彼女の子をやっておきながら…何故この事態を予測出来なかったんだ?彼女ならば、充分やらかしそうな事じゃないか。気を付けてきちんと確認してやるべきだった、其れを怠った自分のミスだ…、とか何とか考えたところで今更どうにもならない事をグダグダと後悔している時間は微塵も無い!約束の刻限は、刻一刻と迫っている!!「そ、そう…。いいさ、構わない、大丈夫だよ…じゃあ…そうだな、其の方の御名前は?御名前で受付の方に問い合わせて頂くよう、頼んでみるから。」「え?名前?知らない。覚えてないよ。」なっ…?名前を知らないだとっ⁈では、ついさっき迄貴女が只管食いまくっていたあの大量の菓子の栄養分は、一体何処へ行ってしまったというんだ?脳味噌に行っていない事だけは確実だな…「GITANES…もしかして私、また失敗しちゃったの?どうしよう、ごめんね…」「いや、母さんは悪くない。きちんと確認してあげるべきだったんだ。大丈夫、急いで何とかするから。取り敢えず一寸待ってて?大丈夫だからね。」「…申し訳御座いません。頂いたお名刺を、なんと、持参していない、お名前も御所属も記憶していない、と…」受付嬢さんよ…マスクで助けられているが、君、笑いを隠し切れていないぞ?いいんだ。笑ってくれ。女性は笑顔が一番だからな。だから思う存分、笑ってくれ。遠慮は要らない。ああ、スマイルが本当は¥0じゃない事位、勿論分かっている。しかし幾らかかっても、構いやしない。お家を聞いても分からない…名前を聞いても分からない…犬のお巡りさんは、困ってしまっているからな…今なら幾らでも出すぞ。そうとも。ワンワンワワンと、千切れんばかりに尻尾を振ってな。打ち出の小槌宛らに…「用向きから先方の御所属は恐らく○○だと思うんです。其れがあるのは…そうですか、やはり、此方ではない。ではお忙しい所誠に申し訳御座いませんが、他様にお問い合わせ頂けますでしょうか?母の名と用件、御約束の時刻等を併せて御伝え頂ければ、何とか分かるかと…」「承知致しました。それでは、お急ぎでしょうから最も可能性の高そうな所から順にお問い合わせさせて頂きますので、少々お待ち下さいませ。」「有難う、助かります。」迷子センターのお姉さん…もとい、敏腕受付嬢のグッジョブのお陰で、1発ヒットがかかる。此処から車で凡そ15分程の距離だという。丁重に礼を述べ、急遽目的地へと向かう。到着したのは16時45分。運良く先方もまだ押していた為、ギリギリで遅刻にこそなりませんでしたが、予想より用事に時間がかかったのと、復路では案の定、帰宅ラッシュにクリーンヒットしてしまい…残念ながら、流石に食事は不可能と判断。19時入りの仕事5分前に何とか滑り込みセーフこそしたものの、菓子や飲料は往路で全て母の胃袋に消えてしまっていた為、飲まず食わずのまま仕事に戻る事にw「ごめんね、GITANES…お腹空いたでしょう?私ったら、1人で全部食べちゃって…GITANESはお菓子なんて食べないと思ったの…」「そんな事謝る必要なんて無いよ。あれは母さんのお菓子だし。第一、三十路にもなって、ママ〜お腹空いたよ〜、なんて…有り得ないからw殺処分不可避でしょw」「でも、私が場所を間違えて、名刺も忘れて来ちゃったから…」「いいのいいの!名刺なんて無くても大丈夫だったでしょ?其れにさ?名刺、食べられないしwヤギなら別だけどねwつまり、ジュースとお菓子を沢山持って来た母さんは大正解だった、って事!次は母さんを見習って、何か軽食を事前に済ませるなり持参するなり、或いはヤギになる術を会得するなり…w気を付けるよ。」「でも…」「いいんだって!何故って、母さんを無事に連れ帰れたんだから。結論、其れさえ出来ればいいんだよ。」そう。だからまた、一緒に行こう。貴女を助手席に乗せる時、このメルセデスのハンドルを握っているのは、GITANESの姿を借りた父だから。貴女のお陰で、父に逢える気さえするんだ。エンジン音に、父の鼓動すら…感じるんだよ。※写真はフランスはNénetteの車内用クリーナー。100%天然由来、ECOCERT認証の、地球に優しい商品です。Nettoyant phrastiques écologique (Nénette) https://www.nenette.fr/boutique/nettoyant-plastiques/ECOCERTJapan https://www.ecocert.com/ja-JP/%E4%BC%9A%E7%A4%BE%E6%A6%82%E8%A6%81

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