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Naoki.
「まあそう気を落とすなよ」と彼は言った。「僕ら時計なんてそんなもんさ。永久運動というのは理論的に存在しないんだよ」 「そんなことを言ってるんじゃないんだ」と僕は古い電池を右手の人差し指で触りながら言った。 「とにかく、ここいらで眠ることにするよ」 「何だか寂しくなるね」 「君はよくしてくれたと思うよ」 彼はそう言ってゆっくりと動きを止め、やがて深い眠りについた。 電池を交換しても、もう二度と彼は動くことはなかった。

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