「思いのほかコーラフリークがいたからってニヤニヤするのはやめた方がいいわよ。バカに見えるわ。」彼女(猫)は、何処かの国の宣教師のような、混じり気のない、とても真っ直ぐな言葉で僕にそう言った。 …続きを読む
Naoki.の部屋
「思いのほかコーラフリークがいたからってニヤニヤするのはやめた方がいいわよ。バカに見えるわ。」彼女(猫)は、何処かの国の宣教師のような、混じり気のない、とても真っ直ぐな言葉で僕にそう言った。いくら何でもちょっとそれは、と思った。鉄だっていつかは錆びるし、僕だって傷つく。彼(猫)まで、それを聞いてカリカリを吹き出していた。僕はほんの少しだけ気分が下がったが、“元通りになっただけ”と、言い聞かせて、換気扇を回し、タバコに火をつけた。キッチンの窓の外からは、いつもの踏切の警告音が聞こえる。換気扇は煙を吸い込み、代わりに冬の匂いを吐き出していた。「ニヤニヤしてたかな?自分ではわからないものだね。微笑んだつもりではいたけどね。」「ニヤニヤしているのが微笑みなら、痴漢なんて誰も捕まらないわ。セクハラって言葉すらないわよ。真似しちゃダメよ朔太郎。」「はい!」…やれやれ、と僕は溜息をつき、二人の朝ご飯は抜きだな。と思った。
「思いのほかコーラフリークがいたからってニヤニヤするのはやめた方がいいわよ。バカに見えるわ。」彼女(猫)は、何処かの国の宣教師のような、混じり気のない、とても真っ直ぐな言葉で僕にそう言った。いくら何でもちょっとそれは、と思った。鉄だっていつかは錆びるし、僕だって傷つく。彼(猫)まで、それを聞いてカリカリを吹き出していた。僕はほんの少しだけ気分が下がったが、“元通りになっただけ”と、言い聞かせて、換気扇を回し、タバコに火をつけた。キッチンの窓の外からは、いつもの踏切の警告音が聞こえる。換気扇は煙を吸い込み、代わりに冬の匂いを吐き出していた。「ニヤニヤしてたかな?自分ではわからないものだね。微笑んだつもりではいたけどね。」「ニヤニヤしているのが微笑みなら、痴漢なんて誰も捕まらないわ。セクハラって言葉すらないわよ。真似しちゃダメよ朔太郎。」「はい!」…やれやれ、と僕は溜息をつき、二人の朝ご飯は抜きだな。と思った。