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Naoki.
とても気が重い。好きでもない食事に行く事程、人生において気が滅入る事はない。まるで散々揉めて辞めたバイト先に、未払いの給料をもらいにいくような気分だった。僕は覚悟を決めラパンを東京方面へ走らせた。午後18時、主要道路は少しばかり渋滞していた。このままでは待ち合わせ時間に間に合いそうもない。「何処に行くのかな」「え!?ちょっ」気がつくと彼(睡魔)が助手席に乗ってこちらを見ていた。突然現れることに慣れてきてはいたが、運転中は別だ。僕は危うくハンドルを切り損ねるところだった。「おいおい気をつけなよ、もう少しで永遠に眠るところだよ」と彼はニッコリ笑って言った。笑えないジョークだ。「いや、さすがに運転中に突然現れるのは困るよ、居眠り運転でもさせたいのかい?」「ははは、まさか!」と彼は言い、…まあそういう事をする同僚もいるがね、と聞き取れるかどうかのギリギリの声で言った。

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