建物の壁を仕上げる左官職の技法の一つ「洗い出し仕上げ」を用いて製作した時計。「洗い上げ仕上げ」とは、基材となる珪藻土入りのモルタルに砂利や小石などの骨材を混ぜて塗り、硬化する前に表面を洗い流して骨材を表出させ、それを壁や床の表情として見せる技法。本品では造園等にも使用される寒水石という純白な結晶質の石灰岩を骨材に使用しており、一つ一つ形の違う無数の石が光を乱反射させてキラキラと輝いています。緩やかにカーブする時計の形状は表面に光と影のグラデーションを作り、無数の石の表情を強調します。彫り込まれた時計の数字のエッジを崩すことなく、石の表面を綺麗に洗い出すのはコツがいる作業で、soilの職人の繊細な手作業によって実現することができました。