軽やかな「抜け感」が魅力
1981年、クロックデザインにひとたび区切りをつける最終期の作品。
メガネ針や輪形指標という装飾的な時計言語と機能美との絶妙なバランスに、ポストモダンや記号論再評価など時代の雰囲気の下、文学や哲学にも造詣の深かった渡辺力氏による、アンティークや時間認識に対する再解釈を感じます。
モダンクロックの多様な可能性を追い続けて辿り着いた、軽やかな「抜け感」が魅力です。
■渡辺 力 / Riki Watanabe
1911年東京生まれ。1936年東京高等工芸学校(現 千葉大)木材工芸科卒業後、ブルーノ・タウトが指導をしていた群馬県工芸所を経て、 1949年渡辺力デザイン事務所を設立。1952年ローコストの椅子 「ヒモイス」 で注目を集め、 1957年、トリイスツールと円形センターテーブルがミラノトリエンナーレで金賞を受賞する。
1972年にデザインした日比谷第一生命のポール時計が代表作として広く親しまれている。
戦後日本のデザイン黎明期に革新をもたらしたパイオニア的な存在である。
■Lemnos レムノス■
1984年時計メーカーとして独立。著名なデザイナーとプロジェクトを組み、常に新しいことにチャレンジしているブランドです。
ときには凛と佇む花のように、ときには光輝く宝石のように。毎日のなにげなく、 何度も目にするものだからこそ、あなたのいる空間を豊かにする存在であってほしい。この思いを大切に数々の名品を発表してきました。
素材と対話し、その素材が持つ魅力を最大限に引き出す。その結果、移りゆく時間とは裏腹に時が経っても色あせないデザインが生まれます。
革新的かつ永続的な美しさを提案し続け、グッドデザイン賞をはじめ、国内外で数々の賞を受賞し高い評価を得ています。