●「ドルビーアトモス」「DTS:X」対応●独自のサラウンド技術で高さ方向を加えたサラウンドサウンドを創出●今のサウンドバーのニーズに応える高付加価値機能搭載ソニーからドルビーアトモス/DTS:X対応の新サウンドバー「HT-Z9F」が登場した。バースピーカーとワイヤレスサブウーファーの構成で、バー本体は幅1,000×高さ64×奥行99mm(突起部除く)と奥行100mm以下を実現。非常にスリムで設置性も高い。46mmドライバーをフロント×2、センター×1と搭載した3.1ch構成で、音質は声の明瞭さを最重視したという。サブウーファーにはシグマ型磁気回路採用の160mmドライバーを搭載した。立体音場を再現する独自技術「S-Force Pro Front Surround」に加え、新たにバースピーカーのみで高さ方向の音場も表現する「Vertical Surround Engine(バーティカルサラウンドエンジン)」を搭載。サウンドモード入の状態で、リモコンの専用ボタンを1回押すと音の高さを拡張。なおドルビーアトモス/DTS:X作品を再生すると自動的に機能する。音質効果はサウンドモード以外に「ドルビー・スピーカー・バーチャライザー」も選択可能で、これをONにしてドルビーアトモスの「ブレードランナー」を視聴した。火焔の爆発音が高々と立ち上がり映像の高さを越えていく。「ラ・ラ・ランド」冒頭ではベースラインが鮮明で声や楽器の分離もいい。奥行き99mmでよくこれだけの量感が出せるものだ。サウンドモード入でDTS:Xの「グラディエーター」を再生すると、音楽の広がりや余裕ある音圧に加え、特に音声の構成要素の分離が良く、音が綺麗にほぐれる点に感心した。ウーファーも強力で、世の虚しさを象徴するような重低音がひたひたと寄せる描写が良い。シネマモードでのセリフの音質は鮮明で音離れも良い。対話シーンは背景の風音等と会話のバランスが良く、セリフの浮き上がり方が実に効果的。刀の切り結ぶ音などは鮮度が高く音場に散らばっていく。オプションのリアスピーカー「SA-Z9R」を追加すると効果は絶大。密度が豊かになり音が360度旋回する。位置を上げるとより高密度で広々とし、フロントの分解能と鮮明さも向上した。「ブレードランナー」を再度視聴すると、空中パトカーの前後移動に鮮鋭で量感豊かな移動表現が生まれた。勿論フロントだけでも十分映画のダイナミックな音響は味わえる。HT-Z9Fであれば、サラウンドアンプ一台分のコストと簡単な設置で自宅で映画館のような体験ができるだろう。文:大橋伸太郎※AV/オーディオ/ガジェット情報サイト「PHILE WEB」所収記事を短くまとめたものです。