尾崎人形【 土笛 鯛 -たい 】
『めでたい』に通じることから、古くから鯛は御祝の席に欠かせない生き物として重宝されてきた『鯛』。
尾崎人形の産地佐賀県でも、御祝の席に尾頭付きの鯛が食卓を飾ったり、 毎年11月に開催される、佐賀の伝統的なお祭り佐賀くんちの曳山(ひきやま)に使用されるなど、 佐賀の人々の生活と文化の盛り上げ役となってきました。
佐賀くんちの曳山は、乾漆で製作された巨大な曳山で全部で14体(正式には14番)あり、 佐賀の子どもたちは、この順番を覚えるのに「10人のインディアン」の曲の替え歌を用いて覚えます。
「赤獅子青獅子浦島太郎、義経鯛山鳳凰丸飛龍、金獅子武田上杉頼光、珠取鯱七宝丸」
この歌にあるように鯛は5番曳山。子どもたちに人気の曳山です。
その年の大漁・豊作・商売繁盛を神前にて報告し、人々の「エンヤー、エンヤー」「ヨイサー、ヨイサー」の掛け声とともに、 また新しい一年の繁栄を願いながら町中を曳きまわります。
尾崎人形は、陶磁器で盛んな佐賀県に700年以上も前より伝わる焼き物の人形です。
全国の陶磁器の中でも古くからの伝承を残す尾崎人形の起源は、1600年頃に誕生した有田焼よりも前といわれており、1281年の元寇(蒙古襲来)の際、捕虜となった蒙古の兵隊が人形を作り吹き鳴らし、遠い祖国を偲んだことが始まりと伝えられています。
佐賀の郷土玩具でもある尾崎人形は、落ちついた音色の土笛やカラコロッと転がるような音の土鈴など、昔懐かしい日本の玩具です。 成型から絵付けに至るまで全て手作業で作られているので、形も表情も1つずつ違い、手作りならではの味わいが楽しめます。
人形のモチーフは、ちょっと不思議な動物や子どもたち。どれもユニークな表情とカラフルな絵付けなので、お部屋に置いておくだけで明るく賑やかな雰囲気にしてくれます。
手づくりのため1つ1つ形や表情が違います。これも手作りならではの味わいとしてお楽しみ下さい。