尾崎人形【 土笛 カチガラス -長男 (大) 次男(中)末っ子(小)】
カチガラスは正式にはカササギ(鵲)という名前の鳥です。佐賀県では「カチカチ」鳴くことからカチガラスという名で親しまれてきました。
カチガラス(カササギ)は北半球では決して珍しい鳥ではありませんが、なぜか日本では佐賀、熊本、福岡、長崎と福岡県をまたぐ有明海周辺地域に集中して生息しており、 地域性豊かなことから大正12年3月7日に生息地を定めた国の天然記念物に指定され、昭和40年には佐賀県の県鳥にもなりました。
カチガラスは七夕で織姫と彦星を引き合わせるための架け橋にもなったカササギと同じ鳥で、小倉百人一首で大伴家持(中納言家持)が、
「鵲の 渡せる橋に おく霜の 白きを見れば 夜ぞ更けにける」と詠んだ歌で有名なカササギもこのカチガラスです。
また、こんなロマンあるカチガラスは『カチカチ』という鳴き声がすることから『勝ち』に繋がるとされ、古来より大変縁起の良い鳥とされてきました。
尾崎人形のカチガラスは「カチカチ」ではなく「ホーホー」という音色なのですが、またこの違いも「普通○○でしょ」のイメージすら変えてしまうほどに面白味があります。
尾崎人形は、陶磁器で盛んな佐賀県に700年以上も前より伝わる焼き物の人形です。
全国の陶磁器の中でも古くからの伝承を残す尾崎人形の起源は、1600年頃に誕生した有田焼よりも前といわれており、1281年の元寇(蒙古襲来)の際、捕虜となった蒙古の兵隊が人形を作り吹き鳴らし、遠い祖国を偲んだことが始まりと伝えられています。
佐賀の郷土玩具でもある尾崎人形は、落ちついた音色の土笛やカラコロッと転がるような音の土鈴など、昔懐かしい日本の玩具です。 成型から絵付けに至るまで全て手作業で作られているので、形も表情も1つずつ違い、手作りならではの味わいが楽しめます。
人形のモチーフは、ちょっと不思議な動物や子どもたち。どれもユニークな表情とカラフルな絵付けなので、お部屋に置いておくだけで明るく賑やかな雰囲気にしてくれます。
手づくりのため1つ1つ形や表情が違います。これも手作りならではの味わいとしてお楽しみ下さい。