なみだつぼとは古代ローマで悲しみから流す涙を入れる為に使われていたというもの。戦地に赴く夫を思い、妻が流した涙を入れたのです。しかし同時に喜びの涙を受け止める器でもありました。愛くるしい形状は1 6 0 0 年代の初期伊万里時代から有田で焼かれた壺をモチーフに作られました。小さいながら存在感のある壺は一輪差として野で摘んできたお花でも素敵に日々の生活を彩ります。
大きな壺は場所をとる為、気構えますが涙壺は小さくても職人の技がぎゅっと凝縮されています。18種類の涙壺は400年前に作られていた古来より伝わる形を五分の一程度に縮小しました。骨董品のようなクラッシックなイメージが新鮮に感じます。
涙壺の白磁あえて釉薬をかけずに焼き締めの質感にしました。古来から伝わる形の美しさが一番表現できると思いました。内側には釉薬を施し、水漏れの心配はありません。