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Naoki.
「結婚ね…しばらくいいよ、だって宝くじを買うようなものだからさ」僕がいつものようにうどんを食べていると彼女が、かわいそうな人ね、と言いながら結婚の話を持ち出してきた。これで二度目だ。「でも、宝くじは当たることもあるのよ?」“当たらないことの方が多い”というのを説明するのも面倒なので、僕は黙って続きを待った。「まあ恋愛や結婚に関してあなたの言うこともわかるわ、そのときバカみたいに胸が熱くなって誰かと付き合っても、結局は相手に寒気がして終わるのよね、風邪とは正反対だわ」と彼女は言った。どこかで聞いたことのある科白だ。どこで覚えてくるんだろう。それにしても恐ろしい考え方だ。だとしたら何故結婚を勧めてくるのか。「なるほど、じゃあミシェルは結婚するとして、どんな男性ならいいの?」と僕が言うと「そうね、あなた以外なら誰でもいいわ」と彼女は言った。ひどい。「私のことより、あなたはどんな女性が好みなの?」うーん、と僕はひとしきり考えたふりをしてから「もちろん、口うるさい女性は嫌だな」と負けじと答えた。「それは誰のことを言ってるのかしら?」「誰のことだろうね」僕とミシェルはニッコリ笑いながらお互いの顔を見つめた。すると「あ、それはミシェルのことですね!」と彼が横から答えた。「…朔ちゃん?ちょっとこっちにいらっしゃい」それは一瞬ではあったが、彼女の顔が、この世のものとは思えない表情に変化した瞬間だった。

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