ミッドセンチュリーなお部屋を作ろう!ポイントとおすすめアイテム&インテリア実例を紹介

ミッドセンチュリーなお部屋を作ろう!ポイントとおすすめアイテム&インテリア実例を紹介

日本でも人気のインテリアスタイル、ミッドセンチュリー。ですが、いざお部屋に取り入れてみたいと思っても、ミッドセンチュリーといわれるアイテムやテイストが様々で、迷ってしまうこともあるのではないでしょうか。この記事ではRoomClipユーザーさんの実例をもとに、ミッドセンチュリーの定義やバリエーション、お部屋作りのポイントを紹介します。おすすめの名作デザインも紹介しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。


画像をクリックすると、ユーザーさんのアイデアや使用アイテムの詳細がチェックできます。気になった画像はぜひクリックしてみてくださいね。

目次

ミッドセンチュリーとは20世紀半ばのデザイン&インテリア

ミッドセンチュリーとは、20世紀半ばの1940~60年代にデザインされた家具や、それらをつかったインテリア様式のことをさします。アメリカ、ヨーロッパ、北欧、日本など、それぞれの地域やデザイナーによって特徴が異なるため、かつては国ごとにインテリアを区別するのが一般的だったようです。

アメリカンミッドセンチュリーが主なイメージに

日本では1990年代後半から2000年前半まで、ミッドセンチュリー期の著名デザイナーを抱えていた、アメリカ家具デザインのブームがありました。それによって徐々に、「ミッドセンチュリー=アメリカの1940〜60年代のデザイン」といったイメージが広まったと考えられます。

シンプルでモダンなデザインが源流

ミッドセンチュリースタイルのルーツは、第一次世界大戦後にドイツで設立された「バウハウス」という美術学校の教えに見られます。華美な装飾を排し、シンプルな機能美に重きを置いたモダンデザインが各国に渡り、新素材や加工技術と組み合わさってミッドセンチュリーのデザインが花開きました。当時の有能な教師たちが戦争によりアメリカに亡命したことで、デザインの本場がアメリカに移ったことも影響しています。

FRPやプライウッドなどの新素材によって曲線を実現

戦争により開発された新素材や加工技術が、シンプルモダンなデザイン思想と組み合わさったことで、革新的で近未来的なデザインが多く生み出されました。新素材であるFRP(ガラス繊維強化プラスチック)やプライウッド(成型積層合板)は、これまで難しかった曲線のあるデザインを実現。ポップな色使いや大量生産が可能な家具も増えました。

ミッドセンチュリーなお部屋を作るポイント

ミッドセンチュリーのデザインは、どの国・デザイナーにも「シンプルモダン」という共通点があるため、異なる国のものを取り入れてもお部屋がまとまりやすいと言えます。その一方、曲線を使った独特な形状の家具も数多くあり、複数の色や形を取り合わせるのは難しいもの。ここでは、ミッドセンチュリーインテリアを作る際のポイントを紹介します。

まずは国や年代を絞って

まずは、ミッドセンチュリーの中でもテイストを絞るのがおすすめです。現在の主なイメージであるアメリカンミッドセンチュリーの他にも、スカンジナビアンミッドセンチュリー(北欧)、ジャパニーズミッドセンチュリー(日本)など、さまざまな方向性が考えられます。もちろん複数のテイストを組み合わせてもよいですが、軸となるデザインを決めることで、インテリアを組み立てやすくなりますよ。

ダークウッドの家具にポップカラーを組み合わせて

一般的なイメージであるアメリカンミッドセンチュリーのインテリアを目指す場合は、日本の住宅にも合わせやすい、ダークウッドの家具をベースにするのがおすすめです。ダークウッドのテーブルやチェストに、ポップカラーの小物やチェアをアクセントとして合わせるとよいでしょう。

ホワイトインテリアにはレトロフューチャーが似合う

また、デザイン性の高いチェアやダイニングセットを取り入れる場合は、壁や床、その他の大型家具をホワイトにするのがおすすめ。ユニークな曲線やビビットな色使いが特徴の、レトロフューチャーなデザインがより映えるでしょう。特にイタリアのデザイナーの作品には、個性的なチェアが多く見られます。

北欧インテリアと合わせても

20世紀半ばの北欧デザインは「スカンジナビアンミッドセンチュリー」と呼ばれ、北欧インテリアおよびミッドセンチュリーのいちジャンルとして存在しています。無垢材が中心の北欧家具に、アメリカンミッドセンチュリーのアイテムを組み合わせてもよいでしょう。また、1940〜1960年代には北欧のデザイナー達が多くアメリカに渡り、名作デザインを数々生み出しています。

代表的なデザイナーやメーカーのアイテムを取り入れる

ミッドセンチュリーには、名作家具が多く生み出されました。アメリカのKnoll(ノール)、Hermanmiller(ハーマンミラー)や、デンマークのFRITZ HANSEN(フリッツハンセン)、Louis Poulsen(ルイスポールセン)、Carl Hansen&San(カールハンセン&サン)などのメーカーで、今も購入することができます。 意匠権の期限が切れた製品のオリジナルデザインを、出来るだけ忠実に復刻生産したリプロダクト品も多く出回っているので、予算に応じて買えるのもミッドセンチュリーインテリアの魅力です。

ここがポイント!

主なミッドセンチュリーのデザイナーと代表作

  • チャールズ&レイ・イームズ(アメリカ)
    ミッドセンチュリーデザインのアイコン的存在。20世紀のプロダクトデザインに強い影響を与えた。
    代表作 プライウッドチェア、シェルチェア、ラウンジチェア&オットマンなど
  • ジョージ・ネルソン(アメリカ)
    「ハーマンミラー社」のデザインディレクターを務めた。優れたデザイナーを世界に広めた事でも知られている。
    代表作 ココナッツチェア、ボールクロック、マシュマロソファなど
  • イサム・ノグチ(アメリカ)
    日系アメリカ人。彫刻家、デザイナー、陶芸家、建築家などさまざまな肩書きを持つ。
    代表作 AKARI、コーヒーテーブルなど
  • エーロ・サーリネン(フィンランド)
    アメリカで活躍。家具デザイナーのほか、建築家としても有名。
    代表作 チューリップチェア、ウームチェアなど
  • アルネ・ヤコブセン(デンマーク)
    デザイナー、建築家として知られる。モダン様式の代表的存在。
    代表作 セブンチェア、アントチェア、エッグチェアなど
  • ハンス.J.ウェグナー(デンマーク)
    500脚以上の椅子のデザインを残した、北欧を代表する家具デザイナー。
    代表作 ザ・チェアー、Yチェアなど
  • 柳宗理(日本)
    日本を代表する工業デザイナー。
    代表作 バタフライスツール、エレファント・スツールなど

紹介する実例の中には、リプロダクト品も含まれます。その場合は元となったデザインや作品について言及している箇所もありますので、ご了承ください。

お部屋全体のコーディネート例

アメリカンミッドセンチュリーには「ダークブラウン」の家具を

戦争の影響で、ミッドセンチュリー期にはアメリカに多くの優秀なデザイナーが集まりました。そのため、ミッドセンチュリー≒アメリカンミッドセンチュリーとも言えます。よりアメリカンにする場合は、ミッドセンチュリー期に建てられた住宅やそのインテリアを模して、木質の床、および白または鮮やかな色合いの壁にするとよいでしょう。濃く深い色合いや赤みの強い木材家具を配置し、部屋のイメージを全体的にオレンジや茶色系にすると当時の雰囲気が出せますよ。

オレンジがかった温かみのある電球色

アンティークのサイドボードに、剣持勇の「Hacoテーブル」、イームズデザインの「DCM(ダイニング・チェア・メタル)」などを配置したリビング。ダークウッドやオレンジ味のある家具や照明によって、アメリカンミッドセンチュリー風のお部屋になっています。温かみのある電球色との相性もいいですよ。

ライトブラウンなど明度の高いアイテムと組み合わせても

イームズの「ラウンジチェア」が置かれた、ゆったりとしたリビング。ライトブラウン×ホワイトのサイドボードやダイニングテーブルなど、明度の高いアイテムと組み合わせることで、お部屋が重たい印象になりません。アメリカンミッドセンチュリーは北欧インテリアとの相性もよいので、バランスよく組み合わせてみてくださいね。

淡い黄緑にオレンジを差し色にして

天井で光る「スプートニクランプ」や、「サンバーストクロック」など、ミッドセンチュリーらしいアイテムで飾られたお部屋。大きな面を占める壁とベッドカバーは黄緑に統一、床材に近いオレンジを差し色にすることで、個性的なアイテムもバランス良く収まっています。

スペースエイジには「流線形フォルム」と「サイケデリックなカラー」を

「スペースエイジ」とは、ミッドセンチュリー期の宇宙開発への憧れを反映した、近未来的なデザイン及びそのインテリアを指します。流線形のフォルムやサイケデリックなカラーリングが特徴で、コレクターも多いジャンルです。

名作アイテムで揃えて

こちらのユーザーさんは、スペースエイジなアイテムでお部屋をコーディネートされています。壁際には​​directio fuitur社製の「UMBOシェルフ」やイタリア・Kartell社(以下カルテル)の「コンポニビリ」を配置。Knoll社(以下ノル)のシンボルでもある、エーロ・サーリネンがデザインした「チューリップチェア」など、ミッドセンチュリーのアイコンが並んでいます。

「コニャックチェア」がレトロフューチャーを演出

ミッドセンチュリーやスペースエイジ、レトロヴィンテージが好きだという、こちらのユーザーさん。デスク用チェアにしているエーロ・アールニオの「コニャックチェア」があることで、ぐっとレトロフューチャーな雰囲気に。原色を組み合わせたサイケデリックな色使いで、キッチュな空間に仕上がっています。

球体デザインの多用で宇宙っぽさをプラス

オレンジの「パスティルチェア」が目を引くこちらのお部屋。エーロ・アールニオのデザインで、パスティル=錠剤という名前のラウンジチェアです。スペースエイジといえば、球体のデザインも特徴。ペンダントランプやスピーカー、ポスターなどで球体を取り入れることで、スペースエイジらしさを表現されています。

北欧ミッドセンチュリーには「ライトブラウン」や「優しい曲線」を

北欧は、長い冬の間は日照時間が短くなる地域です。そのためか、明るい色味のインテリアや、ブナやホワイトオークなどライトブラウンの木材を使用した家具が多いといわれています。北欧ミッドセンチュリーでも、ライトブラウンや優しい印象の曲線のチェアやインテリア小物を取り入れると良いでしょう。

ブルー×ライトブラウンのインテリア

温かみのある、布貼りの「シェルチェア」をダイニングチェアとして使っているユーザーさん。グレー、ライトブルー、ダークブルーの同系色でチェアの布をまとめられています。爽やかなブルーとライトブラウンの組み合わせは、北欧インテリアらしさを演出できるカラーリングです。

ライトブラウンの家具を組み合わせて

イサム・ノグチの「サイクロンダイニングテーブル」に、アルネ・ヤコブセンの「セブンチェア」を組み合わせたユーザーさん。セブンチェアの他にも、ライトブラウンのアイテムを複数取り入れることで、お部屋が明るい印象に。壁際に置いたダークブルーのソファーが、空間を引き締めてくれています。

北欧ヴィンテージ家具を置いて

まるで映画のセットのような、おしゃれな新居を完成させたユーザーさん。リビングには北欧ヴィンテージ家具や、アルネ・ヤコブセンの「スワンチェア」が置かれています。照明をつけていない薄暗い室内は、日照時間の短い北欧さながら。ダークブラウンの床材や家具を組み合わせると、落ち着いた印象になりますね。

現代の住宅でも取り入れやすいミッドセンチュリー

日本の住宅でも、ミッドセンチュリーを上手に取り入れるポイントを紹介します。床や天井、建具の色味をもとに、お部屋と調和するミッドセンチュリーのアイテムを選ぶのがおすすめです。リプロダクト品も多く販売されているので、予算に合わせてアイテムを選んでみてくださいね。

メインカラーとアクセントカラーを決めて

白い木質の床とブラックのアクセントクロスで構成されたこちらのお部屋。カリモク60の「Kチェア」やイームズの「コントラクトベーステーブル」など、ミッドセンチュリーアイテムの中でもホワイト・ブラックのものを選んでいるのがポイントです。壁面の赤い「ボールクロック」や「コンポニビリ」が程よい差し色になっています。

建具の色味と家具を揃えて

こちらのユーザーさんは、Herman Miller社(以下ハーマンミラー)の「ネルソンプラットフォームベンチ」、同じくハーマンミラー社&ネルソンデザインの「バブルランプ」などを設置されています。お部屋に家具を馴染ませるには、巾木、廻縁、ドア枠などのフチや、床材に近い色味のアイテムを選ぶのがおすすめです。プラットフォームベンチは巾木に近いライトブラウン、チェストは床材に近いダークな色合いですね。

団地のチェッカー模様の床をいかして

こちらのユーザーさんは、団地のお部屋をミッドセンチュリー風にされています。チェッカー模様の床がいい具合に時代を感じさせて、アメリカンミッドセンチュリーの雰囲気にぴったりです。1940〜1960年代の住宅は、ミッドセンチュリーのインテリアにおすすめです。

ジャンルを代表するアイコンデザインを取り入れて

北欧・デンマークの照明ブランド、ルイス・ポールセンの「PH 5」のあるリビングダイニング。ポールセンの照明があるだけで、北欧インテリアらしい雰囲気が醸し出せます。また、イームズの「シェルチェア」など、形や色が異なるチェアを組み合わせるのもミッドセンチュリーらしいアイデアです。

畳のお部屋をミッドセンチュリー風にしても

4畳のお部屋に、カリモク60の「Kチェア」とイームズのシェルチェアのリプロダクトを置いたアイデアです。畳とKチェアだけでなく、シェードカーテンや観葉植物でもグリーンを取り入れることで、それぞれのアイテムを調和させることができていますね。また、ダークブラウンの梁の見える天井も、ミッドセンチュリーらしい雰囲気のポイントになっています。

ミッドセンチュリーのチェア

ミッドセンチュリーといえば、数々の名作チェアが生み出された時代です。アイコンともいえるイームズの「シェルチェア」や、プライウッドの「セブンチェア」、プラスチック一体成形の「パントンチェア」など、時代を象徴するアイテムを紹介します。チェアの組み合わせ方も参考にしてみてくださいね。

イームズ夫妻の名作「シェルチェア」

イームズ夫妻が手がけた「シェルチェア」はアームレストがないため、ダイニングテーブルやデスクで使いやすいデザインです。座面や脚の組み合わせが複数あり、インテリアに合わせて選べるのも特徴。こちらのユーザーさんは最もスタンダードなワイヤーレッグをチョイス。シンプルなシェルとワイヤーの組み合わせが繊細で美しいですね。

「プラスチックアームシェルチェア」のロッカーベース

イームズ夫妻が手掛けた「プラスチックアームシェルチェア」の、ロッキングチェアバージョンです。鮮やかなカラーは素材自体に練り込んでいるため、長年使用しても色褪せることがないそう。ヴィンテージ家具にマスタードイエローとネイビーを組み合わせた、バランスの良い空間に仕上がっています。

シェルチェアフォームの「ワイヤーチェア」

ヴィンテージの「ワイヤーチェア」のサビを落として、美しく蘇らせたこちらのユーザーさん。現行品ではなく、ミッドセンチュリー当時のチェアを手に入れると、より愛着が湧きそうですね。ワイヤーチェアは、イームズの目指した「より少ない材料で、より経済的に」のコンセプトを体現した名作。FRP製のシェルチェアのフォームをワイヤーで表現した、軽量かつ丈夫なチェアです。

ブライウッドのダイニングチェア「DCM」

こちらはイームズがプライウッドで作った「DCM」。プライウッドとは、薄くスライスした木材を積み重ねて接着した合板で、3次元の曲線も整形できる素材です。お尻にフィットする曲面によって、座りやすさもバッチリ。DCMは、ダイニングチェアメタルレッグの略で、ダイニングチェアとしても使いやすいですよ。

アルネ・ヤコブセンの「セブンチェア」

デンマークの家具デザインメーカー、フリッツ・ハンセンの「セブンチェア」に、同じくフリッツ・ハンセンの「テーブルシリーズ」の円形テーブルを組み合わせたユーザーさん。セブンチェアはアルネ・ヤコブセンのデザインで、北欧インテリアでよく使われるアイテムです。

「エッグチェア」と「スワンチェア」

リビング奥に、アルネ・ヤコブセンの名作チェアを並べて置いたユーザーさん。手前が「スワンチェア」、奥が「エッグチェア」です。同じ時期にデザインされたことからも、どちらが好みか比較して語られることもあるチェア。こちらのユーザーさんのように、同じ張り地にして並べて使っても素敵ですね。

ハンス J. ウェグナーの「Yチェア」

ハンス J. ウェグナーがCARL HANSEN & SON(以下カール・ハンセン&サン)用にデザインした「CH24」。印象的なY字形の背もたれのデザインから、「Yチェア」の名前で知られています。通常はペーパーコードで編まれた座面ですが、こちらのユーザーさんはオプションの革張り座面を選ばれました。

高級感のある「イームズラウンジチェア」

レザーと合板の組み合わせが高級感を漂わせる、「イームズラウンジチェア」。「よく使い込まれた一塁手ミットの温かく、包み込む感じ」をイメージしてデザインされたこちらのチェアは、ゆったりとリラックスするのにぴったりです。セットのオットマンと合わせて使うと、より快適に。

ジョージ・ネルソンの「ココナッツチェア」

ジョージ・ネルソンの「ココナッツチェア」をリビングに置いたユーザーさん。意外と柔らかく、簡単に姿勢を変えられるところが気に入っているのだそう。割れたココナッツの殻から着想を得たこのチェアは、シンプルながら個性的なフォルムで、お部屋のアクセントにぴったりです。

プラスチック製の「パントン チェア」

ヴェルナー・パントンによってデザインされた「パントン チェア」は、プラスチックによる一体成形型チェアです。プラスチックなので屋外やプールサイドでも使いやすく、こちらのユーザーさんはテラスに設置されました。さまざまなカラーバリエーションがあり、インテリアの差し色にもおすすめです。

エーロ・アールニオの「コニャックチェア」と「ボールチェア」

フィンランドを代表するデザイナー、エーロ・アールニオの名作椅子をコレクションしているこちらのユーザーさん。左が「コニャックチェア」、右が「ボールチェア」です。どちらもスペースエイジを代表する作品で、「2001年宇宙の旅」など、数々の映画の中でも使用されています。レトロフューチャーな流線形のフォルムとビビッドな色使いが特徴的です。

柳宗理の「バタフライスツール」

柳宗理がデザインした、天童木工の「バタフライスツール」を玄関に置いたユーザーさん。プライウッド(成型合板)を曲げることで生み出された、美しい曲線が魅力です。ちょっとものを置いたり腰掛けたりするのにぴったりだそうですよ。明るいメープル板目のほか、ダークブラウンのローズウッドもあり、インテリアに合わせて選べます。

ミッドセンチュリーのソファー

実際にリビングに置くとなると、1人用チェアではなくソファーも欲しいところです。ここでは使いやすいベーシックなカリモク60の「Kチェア」や、個性的なジョージ・ネルソンの「マシュマロソファ」、ミッドセンチュリーを模した現代のプロダクトなどを、幅広く紹介します。

カリモク60の「Kチェア」2シーター

広々としたリビングに、カリモク60(カリモクロクマル)の「Kチェア」2シータータイプを置いたユーザーさん。デザイナーズ家具ではありませんが、ミッドセンチュリーインテリアで見ることの多い、日本生まれの高品質なレザーソファーです。また、カリモク60とは、日本最大級老舗家具メーカー「カリモク家具株式会社」のブランド。1960年代から廃番になることなく作り続けられてきた名作を、今でも比較的値ごろな価格と扱いやすさで製造販売しています。

カリモク60の「ロビーチェア」

1968年に誕生した「ロビーチェア」も、当時と同じシルエットで販売されています。光の当たり具合によって色味や濃淡が変わるモケットグリーンの生地も魅力です。ダークブラウンの建材に白い壁で構成されたお部屋の中で、ロビーチェアの緑とポスターのオレンジが差し色になっています。

ACME FURNITUREのオリジナル「CARDIFF SOFA 2.5S」

ミッドセンチュリーの北欧や、イギリスの家具が好きだというこちらのユーザーさん。リビングにACME FURNITURE(アクメ ファニチャー)の「CARDIFF SOFA 2.5S」を設置されました。アクメファニチャーは、ミッドセンチュリーのヴィンテージ家具と新品のオリジナルを販売しているブランド。デザイナーズ家具よりは値段を抑えつつ、おしゃれなアイテムを探したい人におすすめです。

パームスプリングスのオリジナルソファー

こちらのユーザーさんは、名古屋のヴィンテージ家具店・パームスプリングスのオリジナルソファーを購入されました。ミッドセンチュリー期のヴィンテージアイテムを扱うお店なので、オリジナルのプロダクトにも当時のエッセンスが含まれています。左右の跳ね上がった袖と前面の飾り木は、ミッドセンチュリーの特徴的なデザインだそうですよ。

ハンス・J・ウェグナーのデイベッド「GE258」

ハンス・J・ウェグナーのデイベッド「GE258」は、背もたれを上にスライドさせ持ち上げると、座面が広くなりデイベッドとしても使用できます。背面には毛布などを収納するスペースも。元々は寄宿舎のためにデザインされたもので、限られたスペースを有効活用する為の工夫が詰まっています。

ジョージ・ネルソンの「マシュマロソファ」

ジョージ・ネルソンの「マシュマロソファ」を、ミッドセンチュリーのアイテムが並ぶリビングに置いているユーザーさん。直径約25cmのマシュマロ型クッションで構成されたこのソファーは、意外にも座り心地がよいのだそう。写真は黒のレザータイプですが、クッションの張地をカラフルにすればスペースエイジにもマッチします。

優美なデザインの「バルセロナ・チェア」

ドイツ出身の建築家、ミース・ファン・デル・ローエがデザインした「バルセロナ・チェア」。このチェアはバルセロナ万博のドイツ館にて、王族を迎えるためにデザインされました。そのため、他のデザイナーズチェアと比べて、優美なフォルムが特徴です。お部屋を落ち着いた雰囲気にしたい場合や、カジュアルさを抑えたい時におすすめです。

ミッドセンチュリーのテーブル・デスク

ミッドセンチュリーの名作チェアに、ローテーブルやサイドテーブルを組み合わせると、よりリラックスしやすい空間に。組み合わせ次第で、コーヒーを飲みながら本を読む様なパーソナルスペースや、家族の憩いの場が作れます。ウォールナットやナチュラルカラーの木製テーブル、モダンデザインのガラステーブルなど、デザイナーズの名作家具や現代のアイテムを紹介します。

イサム・ノグチの「コーヒーテーブル」

ガラス天板と2本の脚のシンプルな構成が、まるで彫刻のようなコーヒーテーブル。イサム・ノグチが最初に作ったインテリア作品です。脚はウォールナット、ブラックアッシュ、メープルの3種類あり、お部屋のカラーに合わせて選べますよ。

ジョージ・ネルソンの「プラットフォームベンチ」

ジョージ・ネルソンデザインの「プラットフォームベンチ」をローテーブルとして使用しているユーザーさん。ベンチとして、またはローテーブルとして、シーンに合わせて使い方を変えられるアイテムです。空気と光が通るよう間隔があけられた座面(天板)が特徴で、ポリッシュドクロームの細い脚が軽やかな雰囲気を醸し出してくれます。

手頃な価格で手に入るリプロダクト品も

緑がいっぱいのお部屋に、「プラットフォームベンチ」のリプロダクト品(エボナイズドウッド版)を置いているユーザーさん。価格を抑えるなどの理由でオリジナルデザインから少し改変されていますが、こちらのアイテムは正規品の1/7程度の価格で購入することができます。リプロダクトは複数のメーカーから販売されていることが多く、それぞれ少しづつデザインや価格が異なります。

イサム・ノグチの「サイクロンダイニングテーブル」

イサム・ノグチがデザインした「サイクロンダイニングテーブル」です。サイクロンのようにワイヤーが天板側に伸びたデザインで、同じくワイヤーを使ったチェアとの相性が抜群。転倒を防ぐためにテーブルの脚は金属になっており、かなりの重量なのだそう。

エーロ・サーリネンの「チューリップテーブル」

エーロ・サーリネンがデザインした、一本脚で自立するデザインのラウンドテーブル「チューリップテーブル」。同じくエーロ・サーリネンがデザインした「チューリップチェア」と組み合わせると、美しいダイニングが完成します。チューリップテーブルの天板は木製、大理石など複数のデザインから選べますよ。

ジョージ・ネルソンの「スワッグレッグデスク」

テーブルではありませんが、勉強や仕事に使えるジョージ・ネルソン「スワッグレッグデスク」を紹介します。デスク上の仕切り板が特徴で、オレンジ、ブルー、イエローでカラフルに彩られています。フロント部分の天板下には引き出しが、デスクの後ろには配線ケーブルを通すグロメットがついていて、実用性もバッチリです。

ミッドセンチュリーの収納家具

ミッドセンチュリー期に、現代のテレビボードと同じ役割を果たしていたのがサイドボードです。細めの脚のついているデザインが多く、1台あるだけでぐっとミッドセンチュリーらしさが醸し出せますよ。ヴィンテージショップやネットオークションなどで手に入れることができます。その他、プラスチック製の収納家具・アイテムを紹介します。

イギリスヴィンテージ「G-PLAN」のサイドボード

イギリスの老舗家具メーカー「E Gomme」社が開発した家具ブランド「G-PLAN」のヴィンテージサイドボード。おそらく1950年代製と思われるサイドボードは、年季の入った木の風合いが魅力です。デンマークのヴィンテージサイドボードよりも小ぶりで手に入りやすかったそうですよ。

「ドレクセル ヘリテイジ社」のアイテムを合わせて

ヴィンテージのKチェアを中心に、ミッドセンチュリーなお部屋を作っているユーザーさん。アメリカの家具メーカー「ドレクセル ヘリテイジ社」などのアイテムを合わせているそう。写真右のサイドボードは自作のオーディオラックと並べて、レコードプレーヤーなどを収納されています。

横に長いサイドボードをテレビ台に

横に長いサイドボードを、テレビ台として使用した実例です。ミッドセンチュリーらしい細い脚がついたデザインで、真鍮の取手がアクセントになっています。デザイン性と収納力を兼ね備えたサイドボードですね。

「ACTUS」で購入したミッドセンチュリー風チェスト

ACTUSで購入したというチェストを玄関に設置しているユーザーさん。ACTUSは輸入家具やオリジナル家具などを販売するインテリアショップです。ミッドセンチュリーテイストのアイテムも多く、ヴィンテージ家具よりも購入しやすい価格で、質の高いアイテムが見つかりますよ。

大型カップボードをカフェスペースに

こちらのユーザーさんは、大きなカップボードにマグカップやコーヒーメーカーを並べ、カフェスペースにされています。食器などを収納するカップボードにはさまざまなサイズとデザインがあります。設置場所のスペースや収納するものに合わせて、目安のサイズと形状(ガラス戸、オープンシェルフなど)を絞ると、選びやすいですよ。

カップボードにフラワーベースを飾って

ミッドセンチュリー風のカップボードに、ミッドセンチュリーモダン風のフラワーベースをたくさん飾っているユーザーさん。カップボードは飾り棚としても人気で、扉のないオープンシェルフ部分にお気に入りのアイテムを並べてもよいですね。

イームズの「ストレージユニット」

写真右側奥に配置されているのが、イームズの「ストレージユニット」です。ストレージユニットにはケース、キャビネット、引き出しのパーツがあり、複数のサイズから自由に組み合わせることができます。バーチベニアをベースにしたナチュラルカラー(写真のアイテム)と、レッド、ブルー、ブラック、ホワイトのハードボードパネルがモンドリアン風に組み合わせられた、マルチカラーの2タイプから選べます。

イタリア家具の名品「コンポニビリ」

「コンポニビリ」はイタリアの家具メーカー、カルテルのプロダクト。創業者ジュリオ・カステッリの妻であり、デザイナーでもあるアンナ・カステッリがデザインした名作です。円柱形のデザインは、どこかレトロフューチャーな趣も。カラーは10色展開なので、お部屋のアクセントカラーとしても取り入れやすいアイテムです。

ジョエ・コロンボの「ボビーワゴン」

イタリアのデザイナー、ジョエ・コロンボがデザインした「ボビーワゴン」。なんといっても収納力の高さが魅力のアイテムですが、サイズ、カラー、トレイの組み合わせによって80種類以上のバリエーションがあります。ワゴンの高さは1~4段で調整でき、こちらのユーザーさんは2段にしてサイドテーブルとしても活用されています。

ミッドセンチュリーの照明

ミッドセンチュリー期には、チェアだけでなく優れた照明も数多く生み出されました。デンマークの照明メーカー「Louis Poulsen(以下ルイスポールセン)」で活躍したポール・ヘニングセンの北欧デザインや、スペースエイジにも合わせやすいヴェルナー・パントンのペンダントライトを紹介します。

ポール・ヘニングセンの「PH 5」

200種類以上のランプをデザインしたポール・ヘニングセンの名作「PH 5」。ポール・ヘニングセンはデンマークの照明ブランド、ルイスポールセンの基礎を築いた照明デザインのパイオニアです。ヘニングセンは「グレア」と呼ばれる照明の光が原因で起きる不快感や、目に残る残像などを防ぐため、グレアフリーなデザインの照明を多く生み出しました。

ポール・ヘニングセンの「PH アーティチョーク」

こちらもポール・ヘニングセンがデザインした、「PH アーティチョーク」。絶妙にカーブした72枚もの羽によって、アーティチョークを表現したデザインです。左右上下のどの角度から見ても光源が一切見えないよう考え抜かれた設計。光源が見えないことで、グレアフリーになっています。それぞれの羽根の内側が光を反射して下のシェードを照らし、心地よい光を投げかけてくれますよ。

パイン材でできた「ヤコブソンランプ」

薄くスライスされたパイン材を組み合わせた「ヤコブソン・ランプ」は、スウェーデンの照明デザイナー、ハンス・アウネ・ヤコブソンによるデザインです。モダンなデザインと木材を通した温かみのある光は、ウッドテイストのインテリアや北欧スタイル、和モダンスタイルとの相性もいいですよ。

ジョージ・ネルソンの「ソーサー バブルペンダント」

ジョージ・ネルソンの「バブルランプ」を代表する形といえばこの「ソーサー」です。円盤のように横に広がった特徴のあるフォルムには、お部屋を広く感じさせてくれる効果も。バブルランプシリーズは、職人の手作業によって、細いスチールフレームに特殊なプラスチックをスプレーでコーティングしています。

ジョージ・ネルソンの「シガーバブルペンダント」

ジョージ・ネルソンの「バブルランプ」シリーズのうちの、葉巻のような形状をした「シガーペンダントライト」です。縦に長いデザインは、吹き抜けや天井高がある空間にもおすすめ。S・M・Lのサイズ展開で、それぞれ少しずつフォルムが異なります。

イサム・ノグチの「AKARI」

吊り押し入れの下のスペースに、イサム・ノグチの「AKARI 」を置いたユーザーさん。ノグチが岐阜提灯にインスピレーションを得て作られたプロダクトで、約200種類ものパターンが生み出されました。和紙がほどよく光を分散させてくれるので、部屋全体に柔らかい光が広がりますよ。

ヴェルナー・パントンの「ムーンランプ」

ヴェルナー・パントン「ムーンランプ」のペンダントタイプ。10枚の可動式リングで構成されるシェードで、月を表現しています。リングから漏れる光、遮られる光の陰影が光のオブジェのよう。スペースエイジなお部屋にも合いますよ。

ヴェルナー・パントンの「VP グローブ」

パントンがデザインした「VP グローブ」。ボールチェーンで連結された5枚のアルミ製のシェードは、アクリルに包まれて宙に浮いているようにも見えます。シェードの反射鏡になった部分には上下の青と赤のアクセントが映り込み、スペースエイジっぽさも。ライトをつけていない時も、オブジェとして楽しめるデザイン性の高さが人気です。

ルイジ・コラーニの「UFOランプ」

スペースエイジなお部屋に、ドイツのデザイナー、ルイジ・コラーニの「UFOランプ」を組み合わせたアイデアです。車のデザインで有名なコラーニは、自然をモチーフにした緩やかで生き物のような曲面を持つデザインが特徴。飛行機や家電、文具など幅広いアイテムをデザインしています。このUFOランプにも、緩やかな曲面が使用されています。

モビールのようなセルジュ・ムーユのライト

フランスの銀細工職人だったセルジュ・ムーユがデザインした照明「SUSPENSION 3 BRAS PIVOTANTS(シュスポンション トワ ブラ ピヴォタン)」。3本それぞれ長さの異なるアームは可動式なので、家具の配置に合わせて照らす場所を調整できます。縦にも横にも大きいため、事前に設置可能かシミュレーションするのがおすすめ。モビールのようなデザインは、インテリアの主役になってくれますよ。

ミッドセンチュリーのインテリア小物

ミッドセンチュリーテイストの大きな家具を揃えるのは大変ですが、雑貨なら気軽に取り入れられます。最後に、壁掛け時計やハンガーラック、オブジェなどのインテリア小物を紹介。カラフルでポップな色合いのアイテムがあるだけで、お部屋がぐっと明るく、かつミッドセンチュリー風になりますよ。

掛け時計の名作「ボールクロック」

ジョージ・ネルソンの掛け時計の代表作ともいえる「ボールクロック」。時計の文字盤部分にボールをあしらったシンプルなデザインは、時代を経ても色褪せない、普遍的な魅力があります。デザイン性だけでなく時間の見やすさも配慮されているので、お部屋で使いやすいですよ。カラーバリエーションは6タイプで、単色だけでなくウッドボールも展開されています。

日差しの強い太陽を模した「サンバーストクロック」

ジョージ・ネルソンが1949年にデザインされた「Sunburst Clock(サンバーストクロック)」は、強い日差しの太陽から着想したもの。シンプルなウォルナットなど、さまざまな素材やカラーで制作されています。こちらのユーザーさんは、お子さんのために壁面に数字のステッカーをプラス。

ヒマワリを模した「サンフラワークロック」

ジョージ・ネルソンがデザインした「サンフラワークロック」は、ヒマワリをモチーフにしたプライウッド製のウォールクロックです。ユーザーさんいわく時間は確認しづらいそうですが、インテリア性の高いアイテムです。サイズはなんと直径75cmと、圧倒的な存在感。日光が当たる角度によって変化する表情も、この時計の魅力です。

イームズの「ハングイットオール」

写真奥の壁面に設置されているのは、イームズのハンガーラック「ハングイットオール」です。オリジナルはこちらのホワイトワイヤーのフレームにマルチカラーのボールが付いたデザインですが、現在はさまざまは素材、カラーのリプロダクト品も販売されています。

壁掛け収納「ウーテンシロ」

ドイツのデザイナー、ドロシー・ベッカーはがデザインした壁面収納アイテム「ウーテンシロ」。さまざまな形や大きさの入れ物や金属製のフックがついていて、見せる収納が叶います。カラーはホワイト、ブラック、レッド。サイズは2タイプです。

民芸品を模した「イームズ ハウス バード」

写真右端の黒い鳥型のオブジェが、「イームズ ハウス バード」です。イームズ夫妻が自邸に50年以上飾っていた民芸品を、スイスの家具メーカー「ヴィトラ」が正確に復刻したインテリアで、黒い鳥のほかに、ウォールナット無垢材によるバージョンも販売されています。

ヤコブセンのタイポグラフィを使った「デザインレターズ」

ウォールシェルフの中央に置かれた、「デザインレターズ」のマグカップ。デザインレターズとは、アルネ・ヤコブセンのタイポグラフィ(デザインした文字)をあしらったライフスタイルアイテムシリーズです。シンプルなホワイトのベースに、スタイリッシュなアルファベットが配されたアイテムは、特に北欧ミッドセンチュリーに馴染んでくれます。


ミッドセンチュリーテイストのお部屋作りのポイントや、名作家具、リプロダクト品などを紹介しました。ミッドセンチュリー期は、新素材や成形技術の発展と、時代を反映したデザイナー達のアイデアによって、数えきれないほどの名作プロダクトが生み出された時代です。
年代、地域によってさまざまなテイストがあるので、自宅で取り入れやすいものや、好みのものを見つけてみてくださいね。ヴィンテージ、オリジナルの現行品、リプロダクト品、またはミッドセンチュリーのエッセンスを反映した新しいアイテムなど、選択肢はさまざまです。


RoomClipには、ユーザーさんが投稿した「ミッドセンチュリー」のオシャレでリアルなインテリア実例写真がたくさんあります。ぜひ参考にしてみてくださいね!

リラックス空間を作る癒しの照明アイデア集

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