観た!「哀れなるものたち」
(ネタバレ注意&長文です)
冒頭からもう、好き。って思った。
色使いが、インテリアが、キテレツな衣装が、建物が、そして見出しのように編集で差し込まれるロケーションのタイトルのセンスが。
舞台はロンドン。天才ドクター・バクスター、川に身を投げ命を絶った女性に彼女の胎児の脳を移植し蘇生させる。ところまではまあ、現代版フランケンシュタインかな、モノクロ効果もあって少々眠い印象。
だけど彼女の脳はおそるべきスピードで成長し、言葉を覚え、自我が芽生え、羞恥心もなく本能の赴くままに行動していくことに。
温室培養で外界を知らず無垢で、なのに性には奔放ときたら、たぶらかすのはまさに文字通り赤子の手をひねるように容易。
そんな彼女をうまいこと言って連れ出そうとする、放蕩弁護士ダンカンの登場で、話は俄然面白くなるのです。
え~!!ベラちゃんいいように弄ばれてしまう、このままでは~!と私の心配をよそに、
秘密裏に事は進むと思いきや、全部身内にばらしちゃうベラちゃん(爆)。
しかし反対されるどころかなんと庇護者ドクターばかりか婚約者までもが容認の上、彼女はダンカンと冒険に旅立つことになるのです!
いやあ、なんという展開でしょう!こんなのハジメテ♡
で、どうなる、どうなるの~??
リスボン、船、アレクサンドリア、パリ、そして再びロンドンへ。
彼女が行く先々で出逢う、新たな人生観や哲学との邂逅は、星ぼしを渡り歩いて多様な人生観に出逢う星の王子さまとかアリスみたいだな、なんて思いながらストーリーの行く末を見守る。
あらゆる出来事や新しい価値観を即座に吸収していく至極リベラルなベラちゃんと、
いつしか立場は逆転して彼女に振り回されていくダンカン。
思わず吹き出しちゃうような彼の心配や嫉妬心なんか、まるで別世界の出来事みたい。タイトルの哀れなるものって、彼のことだったのかしら。
要所要所でベラが何度か選択をする分岐点があるのだけど、彼女は、たいてい普通は絶対選ばない方に身を投じるので毎回ええ~っ!って思わされながら、でも見守るしかなくて、どうなることかと心配ながら冒険に付き合わされることに。
このヒロインには巷のありふれた倫理観とか道徳観もなく、羞恥心もない。ただただ純粋に、自らが求めるものに突き進んでいくのみ!な強キャラで、主人公である以上この物語の中での彼女は正義で、周囲は従わざるを得ず(美貌であることもたぶん重要なファクター)。
石橋をたたきすぎて壊してしまうような慎重派の私のような人間には、まっこと痛快であった。ダンカンならずとも彼女にぞっこんになってしまいながら、この物語にのめり込んでいく私。
(パンフは買って帰ろっと)
冒頭で感じたように現代版フランケンシュタインのような悲劇的なお話と思いきや、創造主ドクターはベラを見棄てることなく、最期まで庇護者であり続けるところが違った。ベラがどんな運命になろうとも、帰る場所があることで、彼女も私も、絶対的な安心感を抱き続けることができる。はたから見たら悲劇に見えるような出来事も、主人公がそう思っていないので観ている私にも悲壮感はまったくなくて。
そういうわけで、この作品をたいそう気に入った私なので、こ~んなに長々と一席をぶっておるわけですが。
ふと思ったんだけど、私は客電点くなり快哉を叫ぶくらいに愉しかったんだけど、もしかしたら、これは男性と女性で感想は大きく変わるような気もした。こんな子が自分の彼女だったり身内にいたらそれこそ気が気じゃないでしょうし、やっぱり殿方は御せる女子のほうが安心なのかな~、なんて🤔。
あと余談ですが観た人、ブレシントンにドクター脳、移植するんじゃ?って思わなかった~???笑
🎥哀れなるものたち
2023年アメリカ
監督:ヨルゴス・ランティモス
主演:エマ・ストーン、ウィレム・デフォー、マーク・ラファロ
観た!「哀れなるものたち」
(ネタバレ注意&長文です)
冒頭からもう、好き。って思った。
色使いが、インテリアが、キテレツな衣装が、建物が、そして見出しのように編集で差し込まれるロケーションのタイトルのセンスが。
舞台はロンドン。天才ドクター・バクスター、川に身を投げ命を絶った女性に彼女の胎児の脳を移植し蘇生させる。ところまではまあ、現代版フランケンシュタインかな、モノクロ効果もあって少々眠い印象。
だけど彼女の脳はおそるべきスピードで成長し、言葉を覚え、自我が芽生え、羞恥心もなく本能の赴くままに行動していくことに。
温室培養で外界を知らず無垢で、なのに性には奔放ときたら、たぶらかすのはまさに文字通り赤子の手をひねるように容易。
そんな彼女をうまいこと言って連れ出そうとする、放蕩弁護士ダンカンの登場で、話は俄然面白くなるのです。
え~!!ベラちゃんいいように弄ばれてしまう、このままでは~!と私の心配をよそに、
秘密裏に事は進むと思いきや、全部身内にばらしちゃうベラちゃん(爆)。
しかし反対されるどころかなんと庇護者ドクターばかりか婚約者までもが容認の上、彼女はダンカンと冒険に旅立つことになるのです!
いやあ、なんという展開でしょう!こんなのハジメテ♡
で、どうなる、どうなるの~??
リスボン、船、アレクサンドリア、パリ、そして再びロンドンへ。
彼女が行く先々で出逢う、新たな人生観や哲学との邂逅は、星ぼしを渡り歩いて多様な人生観に出逢う星の王子さまとかアリスみたいだな、なんて思いながらストーリーの行く末を見守る。
あらゆる出来事や新しい価値観を即座に吸収していく至極リベラルなベラちゃんと、
いつしか立場は逆転して彼女に振り回されていくダンカン。
思わず吹き出しちゃうような彼の心配や嫉妬心なんか、まるで別世界の出来事みたい。タイトルの哀れなるものって、彼のことだったのかしら。
要所要所でベラが何度か選択をする分岐点があるのだけど、彼女は、たいてい普通は絶対選ばない方に身を投じるので毎回ええ~っ!って思わされながら、でも見守るしかなくて、どうなることかと心配ながら冒険に付き合わされることに。
このヒロインには巷のありふれた倫理観とか道徳観もなく、羞恥心もない。ただただ純粋に、自らが求めるものに突き進んでいくのみ!な強キャラで、主人公である以上この物語の中での彼女は正義で、周囲は従わざるを得ず(美貌であることもたぶん重要なファクター)。
石橋をたたきすぎて壊してしまうような慎重派の私のような人間には、まっこと痛快であった。ダンカンならずとも彼女にぞっこんになってしまいながら、この物語にのめり込んでいく私。
(パンフは買って帰ろっと)
冒頭で感じたように現代版フランケンシュタインのような悲劇的なお話と思いきや、創造主ドクターはベラを見棄てることなく、最期まで庇護者であり続けるところが違った。ベラがどんな運命になろうとも、帰る場所があることで、彼女も私も、絶対的な安心感を抱き続けることができる。はたから見たら悲劇に見えるような出来事も、主人公がそう思っていないので観ている私にも悲壮感はまったくなくて。
そういうわけで、この作品をたいそう気に入った私なので、こ~んなに長々と一席をぶっておるわけですが。
ふと思ったんだけど、私は客電点くなり快哉を叫ぶくらいに愉しかったんだけど、もしかしたら、これは男性と女性で感想は大きく変わるような気もした。こんな子が自分の彼女だったり身内にいたらそれこそ気が気じゃないでしょうし、やっぱり殿方は御せる女子のほうが安心なのかな~、なんて🤔。
あと余談ですが観た人、ブレシントンにドクター脳、移植するんじゃ?って思わなかった~???笑
🎥哀れなるものたち
2023年アメリカ
監督:ヨルゴス・ランティモス
主演:エマ・ストーン、ウィレム・デフォー、マーク・ラファロ