丘の上のダフィと東雲。
ダフィ 「わたくしは産み落とされてすぐ ふわふわした温かい場所から引き離されて、壊れたかごに入れられて あの公園に捨てられた。
ミルクを与えてくれた通りすがりの人もいたわ。わたくしはしばらくその公園で過ごしたの。
死ななかったのよ。
マサコはあの方とルーブル美術館へ絵を観に行った帰りにあの公園に寄ったの。
そしてかごの中のわたくしを見つけた。
マサコは駆け寄ってわたくしを抱き上げながら、もう連れて帰る気持ちになっていたの。
勿論、あの方も反対はしなかったわ。
マサコとあの方が家へ帰る途中で寄った花屋の店先で、実はわたくしは逃げ出したのです。
何故かって?
それは多分使命ね。
東雲殿。あなたのことは無論その時点では知らなかったけれど、わたくしは引き寄せられるように あなたの働くカフェの裏庭に走ったの。
マサコとあの方はその日ほうぼう仔猫のわたくしのことを探し廻ったけれど見つけられなかった。
わたくしは裏庭の隅から動かなかった。
そうしている時にあなたはわたくしを見つけたのよね。
あなたはわたくしを店の人たちには知られないように世話を焼いてくれたわ。
そしてわたくしは決心したのです。
“この若者をあの方とマサコに引き合せよう”と。
理由も理屈も無いわ。
ただ そうしなければならないと感じたの。
to be continued...
丘の上のダフィと東雲。
ダフィ 「わたくしは産み落とされてすぐ ふわふわした温かい場所から引き離されて、壊れたかごに入れられて あの公園に捨てられた。
ミルクを与えてくれた通りすがりの人もいたわ。わたくしはしばらくその公園で過ごしたの。
死ななかったのよ。
マサコはあの方とルーブル美術館へ絵を観に行った帰りにあの公園に寄ったの。
そしてかごの中のわたくしを見つけた。
マサコは駆け寄ってわたくしを抱き上げながら、もう連れて帰る気持ちになっていたの。
勿論、あの方も反対はしなかったわ。
マサコとあの方が家へ帰る途中で寄った花屋の店先で、実はわたくしは逃げ出したのです。
何故かって?
それは多分使命ね。
東雲殿。あなたのことは無論その時点では知らなかったけれど、わたくしは引き寄せられるように あなたの働くカフェの裏庭に走ったの。
マサコとあの方はその日ほうぼう仔猫のわたくしのことを探し廻ったけれど見つけられなかった。
わたくしは裏庭の隅から動かなかった。
そうしている時にあなたはわたくしを見つけたのよね。
あなたはわたくしを店の人たちには知られないように世話を焼いてくれたわ。
そしてわたくしは決心したのです。
“この若者をあの方とマサコに引き合せよう”と。
理由も理屈も無いわ。
ただ そうしなければならないと感じたの。
to be continued...