「私この植物好きよ」と彼女はキッチンに上りシェフレラを指しながら言った。「うん、僕もだよ」「でももう少し食べやすい葉っぱがいいわね」「うん、そうだね、確かにもっと…え?食べてるの?これ」「そうよ」と彼女は事も無げに言った。どうりで最近葉が少なくなっていると思った。よく見るとギザギザになってしまっている葉もあるようだ。「いや、うん観葉植物は鑑賞用だからあまり食べてほしくないなあ。だってお腹壊すと思うんだけど」彼女は少し考え込んでから「あなたならね」と言った。「私くらいになると、サラダに丁度いいのよ。あなたカリカリしかくれないでしょう?」「いや、あれは総合栄養食で…」と言いかけたが、彼女はそのままソファで眠ってしまった。猫は毛玉を吐き出す為に草などを食すと聞いていたが、最近よく吐いていたのはこのせいかと思った。吐き過ぎて必要な栄養素まで失ってしまっては元も子もない。「弱ったな、対策を取らなくちゃ」と呟き、ふと下を見ると、え?それやっぱり美味しいんですか?という顔をした朔太郎がこちらを見上げていた。
「私この植物好きよ」と彼女はキッチンに上りシェフレラを指しながら言った。「うん、僕もだよ」「でももう少し食べやすい葉っぱがいいわね」「うん、そうだね、確かにもっと…え?食べてるの?これ」「そうよ」と彼女は事も無げに言った。どうりで最近葉が少なくなっていると思った。よく見るとギザギザになってしまっている葉もあるようだ。「いや、うん観葉植物は鑑賞用だからあまり食べてほしくないなあ。だってお腹壊すと思うんだけど」彼女は少し考え込んでから「あなたならね」と言った。「私くらいになると、サラダに丁度いいのよ。あなたカリカリしかくれないでしょう?」「いや、あれは総合栄養食で…」と言いかけたが、彼女はそのままソファで眠ってしまった。猫は毛玉を吐き出す為に草などを食すと聞いていたが、最近よく吐いていたのはこのせいかと思った。吐き過ぎて必要な栄養素まで失ってしまっては元も子もない。「弱ったな、対策を取らなくちゃ」と呟き、ふと下を見ると、え?それやっぱり美味しいんですか?という顔をした朔太郎がこちらを見上げていた。