今さらですが、夏休みの話ですみません。
子供が夏休みの宿題の習字をする時にお手本を書くのが毎年恒例で、
JS(小3の次女)用に【ゆうやけ】と自分の練習のために6年生課題の【無限の力】を書きました。
これでも遠い昔 大昔に師範をとったんやけど、継続的に書いてないと全然書けんようになるもので、今となっては とても師範をとった人間とは思えんような字しか書けなくなってしまいました。
それでも書道はすごく好きで。
墨の匂いや ピンと張り詰めた空気や 伸ばした背筋。腕こそ衰えても書道独特の凛とした空気感は今でもすごく好きです。
死んだおかんは看護師で夜勤もびっしり入っててギャンブル癖のあるおとんにお金を巻き上げられ 手を上げられることも しょっちゅうで。
小学2年生から長いこと習字教室に通わせてもらったけど、そんな家庭やったから教室の月謝を捻出するのもやっとな状況で、それでもおかんは『あんたに残してやれるのは教養と字だけやから』が口癖の人で、どんなにキツくても教室の月謝は工面してくれた。
でも夜勤明けで潰れるように寝てるおかんを見たら月謝の封筒は渡せんかった。おとんにギャンブルの金をせびられてるおかんを見れば、やっぱりまた月謝の封筒は渡せんかった。
そんなことが続いてとうとう半年も月謝を滞納してしまったけど、幼い私は、いつ先生から月謝のことを言われるか冷や冷やしながらも しれっと教室に通い続けた。
でも先生は一度も月謝のことは言わんかった。
紙を買うお金がない時には『たまたま今日はたくさん紙があるから』と言ってタダで紙をくれ、墨汁も何度も分けてもらった。
先生は毎年クリスマスには子供たち全員にクリスマスケーキをプレゼントしてくれるんやけど、月謝を払ってない私にも変わらずにクリスマスケーキをくれた。
ようやくおかんが『あんた!習字教室のお金払ってないやろ。いつからや。はよ言うてーやー』て気づいてくれて半年分の月謝を封筒に入れて先生に渡した時。
先生は、
封筒を大事そうに両手で持って自分の頭より高く掲げて『ありがとうございます。確かに受け取りました。』と言って深々と頭を下げてくださった。
そんな先生の姿を見て幼心にも胸に詰まるものがあって『こんな大人のひとになりたい』と思った記憶があります。
長いこと通わせてくれたおかんにも感謝してるけど、習字教室の先生にも本当に感謝してて、それなのにこんな字しか書けんようになってしまって申し訳ないなあと、
書に触れるたびに思います。
今さらですが、夏休みの話ですみません。
子供が夏休みの宿題の習字をする時にお手本を書くのが毎年恒例で、
JS(小3の次女)用に【ゆうやけ】と自分の練習のために6年生課題の【無限の力】を書きました。
これでも遠い昔 大昔に師範をとったんやけど、継続的に書いてないと全然書けんようになるもので、今となっては とても師範をとった人間とは思えんような字しか書けなくなってしまいました。
それでも書道はすごく好きで。
墨の匂いや ピンと張り詰めた空気や 伸ばした背筋。腕こそ衰えても書道独特の凛とした空気感は今でもすごく好きです。
死んだおかんは看護師で夜勤もびっしり入っててギャンブル癖のあるおとんにお金を巻き上げられ 手を上げられることも しょっちゅうで。
小学2年生から長いこと習字教室に通わせてもらったけど、そんな家庭やったから教室の月謝を捻出するのもやっとな状況で、それでもおかんは『あんたに残してやれるのは教養と字だけやから』が口癖の人で、どんなにキツくても教室の月謝は工面してくれた。
でも夜勤明けで潰れるように寝てるおかんを見たら月謝の封筒は渡せんかった。おとんにギャンブルの金をせびられてるおかんを見れば、やっぱりまた月謝の封筒は渡せんかった。
そんなことが続いてとうとう半年も月謝を滞納してしまったけど、幼い私は、いつ先生から月謝のことを言われるか冷や冷やしながらも しれっと教室に通い続けた。
でも先生は一度も月謝のことは言わんかった。
紙を買うお金がない時には『たまたま今日はたくさん紙があるから』と言ってタダで紙をくれ、墨汁も何度も分けてもらった。
先生は毎年クリスマスには子供たち全員にクリスマスケーキをプレゼントしてくれるんやけど、月謝を払ってない私にも変わらずにクリスマスケーキをくれた。
ようやくおかんが『あんた!習字教室のお金払ってないやろ。いつからや。はよ言うてーやー』て気づいてくれて半年分の月謝を封筒に入れて先生に渡した時。
先生は、
封筒を大事そうに両手で持って自分の頭より高く掲げて『ありがとうございます。確かに受け取りました。』と言って深々と頭を下げてくださった。
そんな先生の姿を見て幼心にも胸に詰まるものがあって『こんな大人のひとになりたい』と思った記憶があります。
長いこと通わせてくれたおかんにも感謝してるけど、習字教室の先生にも本当に感謝してて、それなのにこんな字しか書けんようになってしまって申し訳ないなあと、
書に触れるたびに思います。