ウッディの里山パトロール
戦士の休息。
みんなは、この青い花の名前を知っているかい?
婆さまが植えたジャガイモという花らしい。野菜という食べ物らしいが、どんな実がなるのか楽しみだぜ。悪魔野郎め、荒らしに来るなよ。
後日談…
漆黒の悪魔野郎は、ここを聖地と宣言しやがった。俺も得意の(ゴム)ライフル狙撃で羽を休ませない作戦に切り替えたぜ。すると悪魔野郎は、空から俺を阿呆呼ばわりする精神攻撃になって、聖戦は泥沼の様相になってきたのだ。俺は嬢ちゃん、いや、女神様のために最後まで聖地を守って戦うぜ。
先日も夜明け前から裏庭で、奴らの悪魔聖地の宣言を始めやがった。クソうるさいので、蹴散らしてやる。
飛び起きた俺は、息を潜めながら、薄明かりの中、狙撃に向かったよ。展望テラスの下に来たときに、松の木の上にいる奴のシルエットを見つけてライフルを向けてやった。その時、地上で何かが動いている。野良猫か?この辺は、やたらと猫が多いのだ。
いや、猫じゃないぞ。地面を嗅ぎ回るそいつと至近距離で目と目が合っちまった。そいつは前に出会った稲荷野郎じゃないか!。稲荷野郎は俺を見るなり、尻尾を巻いて逃げて行きやがった。さらに悪魔野郎までも気がついて、飛行魔法でトンズラしやがった。
やれやれ、家に帰り着くと、悪魔野郎が舞い戻り、再び別の樹上から精神攻撃を始めやがっる。奴の阿呆呼ばわりの精神攻撃には、人をイライラさせる魔法効果が付与されているのだ。
休む間もなく、俺は戦いに走って行った。そして悪魔野郎がいる枝を目掛けて狙撃をはじめる。奴は再び空高く舞い上がり、射程から離れていきやがった。俺はもう戻って来るなと念を飛ばしてやったよ。
家に戻ろうとしたとき、先日の倒木があった藪から、ガサっと音がした。何かがいる気配がしたので、そちらに向けてライフルを一発、威嚇で発射した。何も無い?。沈黙の十秒が何分にも感じたよ。が、事態は突然動いた。茶色い獣が、疾風のように隣地の藪に走り去っていった。地面を蹴り、前後に伸びた手足。尖った鼻先に、ふわふわしていそうな尻尾までが、横一線に伸びて、俺の目に一瞬で焼き付いた。何て美しい野生美…。
さっきよりも大きな稲荷野郎だった。藪に消えた野郎は、しばらくして、濁った犬のような声で、ガぅ、ガぅ、ガぅ、吠えはじめた。コン、コンでは無かった。どうやら俺を挑発しているようだ。稲荷野郎も、ここを聖地として、赤い鳥居の建設を主張しているようだ。稲荷野郎の出現は想定外だったが、奴らが女神様の聖地からでていけば、俺のミッションは終了だ。また温かいベッドに戻ろう。稲荷野郎の遠吠えを無視して、家路についた。
こうして里山の平和は、守られたのか? 聖地奪回に絡んだ三つ巴の聖戦に発展するのか? でもこの話は続かないと思うよ。
ウッディの里山パトロール
戦士の休息。
みんなは、この青い花の名前を知っているかい?
婆さまが植えたジャガイモという花らしい。野菜という食べ物らしいが、どんな実がなるのか楽しみだぜ。悪魔野郎め、荒らしに来るなよ。
後日談…
漆黒の悪魔野郎は、ここを聖地と宣言しやがった。俺も得意の(ゴム)ライフル狙撃で羽を休ませない作戦に切り替えたぜ。すると悪魔野郎は、空から俺を阿呆呼ばわりする精神攻撃になって、聖戦は泥沼の様相になってきたのだ。俺は嬢ちゃん、いや、女神様のために最後まで聖地を守って戦うぜ。
先日も夜明け前から裏庭で、奴らの悪魔聖地の宣言を始めやがった。クソうるさいので、蹴散らしてやる。
飛び起きた俺は、息を潜めながら、薄明かりの中、狙撃に向かったよ。展望テラスの下に来たときに、松の木の上にいる奴のシルエットを見つけてライフルを向けてやった。その時、地上で何かが動いている。野良猫か?この辺は、やたらと猫が多いのだ。
いや、猫じゃないぞ。地面を嗅ぎ回るそいつと至近距離で目と目が合っちまった。そいつは前に出会った稲荷野郎じゃないか!。稲荷野郎は俺を見るなり、尻尾を巻いて逃げて行きやがった。さらに悪魔野郎までも気がついて、飛行魔法でトンズラしやがった。
やれやれ、家に帰り着くと、悪魔野郎が舞い戻り、再び別の樹上から精神攻撃を始めやがっる。奴の阿呆呼ばわりの精神攻撃には、人をイライラさせる魔法効果が付与されているのだ。
休む間もなく、俺は戦いに走って行った。そして悪魔野郎がいる枝を目掛けて狙撃をはじめる。奴は再び空高く舞い上がり、射程から離れていきやがった。俺はもう戻って来るなと念を飛ばしてやったよ。
家に戻ろうとしたとき、先日の倒木があった藪から、ガサっと音がした。何かがいる気配がしたので、そちらに向けてライフルを一発、威嚇で発射した。何も無い?。沈黙の十秒が何分にも感じたよ。が、事態は突然動いた。茶色い獣が、疾風のように隣地の藪に走り去っていった。地面を蹴り、前後に伸びた手足。尖った鼻先に、ふわふわしていそうな尻尾までが、横一線に伸びて、俺の目に一瞬で焼き付いた。何て美しい野生美…。
さっきよりも大きな稲荷野郎だった。藪に消えた野郎は、しばらくして、濁った犬のような声で、ガぅ、ガぅ、ガぅ、吠えはじめた。コン、コンでは無かった。どうやら俺を挑発しているようだ。稲荷野郎も、ここを聖地として、赤い鳥居の建設を主張しているようだ。稲荷野郎の出現は想定外だったが、奴らが女神様の聖地からでていけば、俺のミッションは終了だ。また温かいベッドに戻ろう。稲荷野郎の遠吠えを無視して、家路についた。
こうして里山の平和は、守られたのか? 聖地奪回に絡んだ三つ巴の聖戦に発展するのか? でもこの話は続かないと思うよ。