【今注目のジオラマモデラー】情景師/アラーキーさんのジオラマがあるお部屋インタビュー!②

【今注目のジオラマモデラー】情景師/アラーキーさんのジオラマがあるお部屋インタビュー!②

ジオラマのモデラー、情景師/荒木智さんのご自宅へ潜入。第二回目となる今回は、荒木さんのご自宅の紹介を中心に、秘密の仕掛け、荒木さんの“基地”である倉庫部屋、そしてジオラマディスプレイのコツまで、たっぷりお話を伺いました。どうぞお楽しみください!

奥さまと荒木さんの趣味部屋をつなぐ“秘密の仕掛け”にびっくり

ー荒木さんの素敵なご自宅、ご友人なども遊びに来られることも多いのですか?

そうですね。やはり人を楽しませるのが大好きなので、料理や片付けも大変ではあるのですが、ついつい張り切ってがんばってしまいます(笑)

▲こんな空間で仲間同士で集まるのは楽しそう!
▲こんな空間で仲間同士で集まるのは楽しそう!

ーとっても楽しそうですね!

カミさんは料理がすごい上手なんです。なので料理担当はカミさんで、僕は演出担当。お皿の並べ方とか、盛り方、部屋の装飾は僕の仕事です。あとは集まりに合わせて音楽を選んだりするのも僕がやることが多いです。

ー素敵なご夫婦ですね。本日、奥さまにお会いできないのが残念です。

ちなみに、キッチンの奥にカミさんの秘密の部屋があって、趣味用のテーブルがあるんですが、そこがかなりカオスになってます(笑)。最初は洋服にアイロンをかけたりするような雑務をする空間にしようと思っていましたが、今は趣味テーブルが置かれていて、その上に彼女のコレクションがたくさん置いてあります。

基本的に小さい物が好きらしく、そういうものでびっしり。コレクター心を煽るようなガチャガチャとか。彼女はお酒も大好きなので、お酒の小瓶とか。他の部屋は作り込みましたが、この部屋だけは“がらんどう”で作ってもらいました。あとから僕が棚板を作ったり、それをアンティーク風に仕上げていったり、自分で作り込みました。

▲このごっちゃり感がたまりません!
▲このごっちゃり感がたまりません!

実は、この部屋には“秘密の仕掛け”があるんです。この部屋のちょうど真下は、僕が塗装をしている倉庫なんです。二つの部屋は電線管で繋がっていて、会話ができるようになってるんですよ。


▲これは…!なんかラピュタっぽい…!
▲これは…!なんかラピュタっぽい…!

ーええ?! そんな仕掛けがあるんですか??

実は、この部屋には“秘密の仕掛け”があるんです。この部屋のちょうど真下は、僕が塗装をしている倉庫なんです。二つの部屋は電線管で繋がっていて、会話ができるようになってるんですよ。

そうなんです。ちょっとここにいてください!

(1階の倉庫に降りる荒木さん)

ご飯まだ~?

(伝声管から荒木さんの声が聞こえる)

ーあはは! うわあ!! 本当だ。すごい面白いですね。

音が響くからキッチンで料理を作っていると、伝声管を通じて、こっちまで音が響いてくるんですよ。倉庫で塗装しながら世間話もできます(笑)。実は壁の中に水道管を仕込んだだけの簡単なものですけどね。本来、船についている伝声管は真鍮製で、ゴミが入ったり、余計な音が伝わないよう、入り口に蓋がついているんです。

うちのもあとから作ろうと思ったんですが、結局ほったらかしになってしまっていて(笑)。で、おもちゃのラッパの先っちょがついている、というわけです。伝声管は、電気的なインターホンをつけるよりも全然楽なんです!

ーこれ、私が家建てる機会があったら真似したいです(笑)。

是非。子ども部屋に付けたら面白そうですよね。極端な話、絶対やならいけど、下から「喉が渇いた!」って言われたら、伝声管にジュースをジャーと流せば、下の部屋までジャーと流れつくんですよ(笑)。

ついに荒木さんの基地である倉庫部屋へ!

ー実際ジオラマの塗装などをされるという作業場兼倉庫をみせていただいてもいいでしょうか?

いいですよ!作業もやっていますが、今はほぼ倉庫として使っています。

▲これぞ作業部屋…!
▲これぞ作業部屋…!

ーうわあ、すごい! なんだかとても落ち着く空間ですね。このサイズ感と物の囲まれ具合い。すごく気持ちが落ち着きますね。

そうなんです。狙ったわけじゃないんですけど、結果的にそうなりました。ジオラマって作品を運んだりするために専用の箱が必要なんです。以前は、全部統一したラベルを作って、バンカーボックスに入れて、デザインのオフィスみたいにスタイリッシュな収納をしてました。そうしたら、ある取材を受けた時、ものすごくがっかりされてしまったんですよ(笑)。

でもそれからも物がどんどん増えていき、結局はスタイリッシュな収納ができなくなりました。作品やら部品やらが溜まっていっちゃって、収納が追いつかない(笑)。作品も、材料もたくさんストックしてます。材料は常に収集してますし。

▲日頃のお散歩や旅先で見つけた素材をいつでも活用できるようにストック
▲日頃のお散歩や旅先で見つけた素材をいつでも活用できるようにストック

ー材料はどちらで集めるんですか?

近所の公園だったり、旅先だったり、よく収集しています。もちろん売ってるものもあります。ジオラマは制作する時に色々な素材が必要になるから、プラモデルよりも、手芸に近いような世界なんです。色々なパーツや素材を普段から集めていないと、いざっていう時に作品が作れない。

手に入りにくい物もありますから、見つけたら即買っておくしかないです。目的がなくても「いつか使うだろうな~」と買ってしまうんです。そんな感じでどんどん物が積み上がって、ここまで来てしまいました(笑)。

ーディスプレイ作品は定期的に変えるんですか?

変えたりしてますね。飾ってない作品も棚にいっぱい入ってます。作品は展示会に貸し出したりもしてます。

ーお掃除が大変そうですね。こういう細かい物がたくさんあると、埃が溜まっちゃいませんか?

掃除をするの好きなんです(笑)。いつも土曜日の午前中は掃除してスッキリ。じゃないと、やっぱり埃が溜まってしまうので。埃まみれになってる物を置きっぱなしにしたくないんです。愛着があるから、ちゃんとマメに掃除をして、愛情持って接していたいと思っているんです。

▲こんなところにも!
▲こんなところにも!

ーなるほど。先程ガーデニングも好きだとおっしゃっていましたが、どんな植物を育てているのか教えてくれませんか?

ベランダでは桜を育てています。まだ小さいけど、ちゃんと桜の花も満開になって、さくらんぼの実がつきます。またこれがすごい美味しいんです。ずっと外に置いておくと、野鳥に荒らされちゃうので、実がついた時期ぐらいから室内に入れてます。ブルーベリー、レモン、苺なんかも育ててます。あとバナナ。たまたま種を手に入れてたので、そこから育ててます。

もうだいぶ大きくなりましたが、将来は部屋の中で育てたい。「朝起きたらバナナの木からバナナをポキっ」と、そんな南国の王様みたいな生活をしてみたいです(笑)。趣味が多過ぎて、どこに時間割いたらいいのか迷ってしまうのですが、ガーデニングは冬に入るとだんだん落ち着くので、そろそろジオラマ作りに没頭できます(笑)。

▲浴室の植物にも楽しい工夫が♪
▲浴室の植物にも楽しい工夫が♪

ジオラマ作品のディスプレイ術 そして 夫婦で趣味を楽しむ秘訣とは

ー荒木さんの作品は接写で写真を撮ると、スケールがわからなくなりそうです。とてもリアルですね。びっくりします。

スケール感がわからなくなるので、僕はインターネットに作品の写真をあげる時は、必ず自分の指を入れて写真を撮ってるんです。今では僕のトレードマークみたいになってます。先日、“ニューヨークのダウンタウンにあるゴミ捨て場”を題材にして作品を作ったんですが、黒いゴミ袋を指でつまんでる写真を撮ったら、“巨人がゴミ捨てしてる”ように見えて反響が大きかったです。

▲話題となった写真(情景師・アラーキーのジオラマでショーより)
▲話題となった写真(情景師・アラーキーのジオラマでショーより)

ー作品はどれぐらいの期間で作られるのですか?

大体1ヶ月ですね。でも普段はサラリーマンやって、アフターファイブが制作時間になるわけです。だから1ヶ月と言っても、実際の時間に換算すると、そんなに設けられていないかな。

ー荒木さんのご自宅はとても特殊な例だと思うのですが、ジオラマを作られている方たちに「ジオラマはこういう風にディスプレイしたら良いよ」みたいなアドバイスがあったら教えてください。

僕は作品を“立体絵画”というような発想で作ってます。ようは「リビングに絵画を飾ったら、その絵がたまたま立体だった」みたいな感じ。ガンダムだとか戦車だとか、そういうものをリビングにディスプレイするのは、どうしても嫌がられることが多いと思います(笑)。だけど、ちゃんとしたアクリルケースに入れて、ちゃんとした台をつけてやるだけで“立派な作品”になるんですよね。ディスプレイのやり方次第で、作品自身の見え方は変わってきます。なので、まずその見せ方をご自分なりに色々と思考されるのが良いと思います。

ー荒木さんご夫婦のように、お互いの趣味に理解があるのは素晴らしいことですよね。どのようにご夫婦間で接していたら、そんな素敵な関係性が築けるのでしょうか?

まず、基本的な家族間のコミュニケーションはおざなりはできませんよね。そこはしっかりやれるようにしています。僕は、たまに奥さんにジオラマの作業を手伝ってもらうことがあります。「この作業だけやってくれない?」って。夫婦で一緒に物を作っている感覚って大事だと思いますね。

作業が終わったら「ありがとう!さぁ、美味しいものでも食べにいこうか!」って。元々女性はミニチュアな世界観が好きなはずだと思うので、「奥さんはこういうのに一切興味ないから」と諦めないで、少しずつ巻き込んでいくのも楽しいですよ!

▲奥さまが制作されたジオラマ
▲奥さまが制作されたジオラマ

本当に素敵な夫婦、そして、ご自宅ですね。
工夫次第で、自分の趣味を楽しみつつ家族とのコミュニケーションもとれる空間づくりが可能なんですね!
荒木さん、楽しいお話ありがとうございました!

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