「機能美を追求した、家具職人と作り上げる造作キッチン」憧れのキッチン vol.77 Akiさん

「機能美を追求した、家具職人と作り上げる造作キッチン」憧れのキッチン vol.77 Akiさん

RoomClipユーザーの素敵なキッチンを紹介する「憧れのキッチン」連載。

今回は、使い手と職人のこだわりに満ちた上質な住まいを作り上げている最中の、Akiさんのキッチンをご紹介します。素材と機能美を追求したディティールは特に注目です。

家具職人兼椅子張り職人である夫と中1、小5の息子2人の4人家族。できることは自分たちでやろうということで、未完成のまま新居を引き渡ししてもらって約2年。まだまだマイホーム完成は遠い道のりです。

明確なビジョンを実現した、理想の空間

Akiさん宅のキッチンは、心地よい落ち着きの中にひっそりとモダンな遊び心が効いた粋な空間です。何より、たっぷりの背面収納をはじめとした、広々と贅沢な作りに目を奪われます。まずは、Akiさんがキッチンを作る際にこだわったポイントを教えてください。

Akiさん

「まず新居を建てるにあたって夫の造作キッチンありきでした。そのため、ホームメーカーを探すのには苦労しました。規模の大きいホームメーカーはほぼ『難しい』との返答でしたので、請け負ってもらった建築会社さんには本当にわがままをたくさん聞いていただき感謝しています。

『キッチンの横に並ぶダイニングテーブル』、『キッチン背面の壁には、キッチンからダイニング部分全部を覆う長いカウンター収納』という間取りにずっと憧れていたので、それを前提に家全体の間取りを考えました。団地暮らしが長く考える時間はたっぷりだったので(笑)、かなり明確なビジョンが見えていたのだと思います。 また、キッチン上部のアイアンと無垢板の吊り棚もお気に入りです。ボードを貼る前に大工さんに取り付けてもらっているので、取り付け部分は見えずスッキリとしています。」

主役級のペニンシュラキッチン

玄関からもリビングからも、もちろん一体となっているダイニングからも、あらゆる角度から目に入るのが、Akiさん宅のキッチンの特徴です。そんなキッチンは、正に家の主役級の存在。インテリアのように空間に悠然と在るキッチンの魅力にさらに迫っていきましょう。造作キッチンに興味がある、これからマイホームを建てる、キッチンのリノベーションを検討しているという方は、是非とも参考にしてみてください。

キーワード1 家の顔になる、家具のようなキッチン

Akiさん

「夫が家具職人なので、家具をメインにした家造りにこだわりました。キッチンも家具のひとつと考えているので、キッチンダイニングを我が家の顔にしたかったんです。

玄関からリビングに入る時(ドアはまだ製作できていませんが)、正面にキッチンが見えます。 玄関ホールからリビングに続く入り口には木製枠のガラスの壁を取り付けていて(これも夫が製作)、この木製枠から覗くキッチンも自分の中では萌えポイントです。 そしてリビングから見えるダイニングの収納部分は、床から少し上げて壁付けにし、北欧風にしました。 もともと二人とも北欧家具が好きなので、扉ではなく北欧に多い引き戸も採用しています。 といってもキッチンが完成したのは入居後1年半後。引越し当時はキッチンはカウンターのみで引き出しはなし、背面収納もなく引越し前に使っていた食器棚を置いていました。(笑)」

キーワード2 機能性を重視した、無理せず使いやすい作り

Akiさん

「背面収納のカウンターは、ちょうどキッチンの背面にくるあたりはステンレス、ダイニングのあたりは無垢材と分けました。水濡れや使い勝手を考えてキッチンの近くはステンレスの方が良いと思ったからです……。というのは結果論で、本当は4.6mあるカウンターのアメリカンチェリーの無垢の材料が1年以上待っても手に入らなかったからなんです。でも、結果的にはステンレスにして本当に良かったと思っています。

また、あまり見せたくない炊飯器やホームベーカリー、オーブンレンジはキャスター付きのワゴンに収めています。使用するときは蒸気が気になるので、ワゴンごと引き出してからスイッチオン。よくある炊飯器用のスライドレールは『壊れやすいから使いたくない』との夫の意見により生まれました。ワゴンには引き出し収納もついていて、造作でキッチン収納を考えている人にはかなりオススメです! そしてカウンター上には見た目重視の家電を置いています。 IHコンロの下には内引出し用のステンレスのスライドバスケットを、むき出しに設置。持ち手など乾きづらいフライパンや鍋、ザル類を、乾ききってなくてもここに収納して自然乾燥させてます。」

キーワード3 用途に合わせて選び抜かれた素材やパーツ、ディティール

Akiさん

「背面収納同様に、キッチン本体も木部とステンレスで分かれています。主人は全て無垢の木製カウンターにしたかったみたいですど、私はどうしてもカウンターをビョショビショにしてしまうと思ったので、奥行き1000ミリのうち650ミリはステンレス、350ミリは無垢板にしました。木部に水が流れないよう、ステンレスに15ミリの立ち上がりも付けたのもポイントです。

あと、主婦の友達が来ると必ず褒められるのがソープディスペンサーの存在。みんなに『これなあに?』と聞かれます(笑)。洗剤ボトルを置きたくなかったので、食器洗剤用とハンドウォッシュ用のソープディスペンサー2つを取り付けました。これのおかげで見た目もスッキリしてお気に入りです。」

キッチンをもっと素敵にするためのアドバイスがあれば教えてください

Akiさん

「新しくキッチンを選ぶ際、是非こだわりを持っている方に選択のひとつとしてオススメしたいのが、造作(オーダー)キッチンです。『金額が高いのでは?』と思う方が多いのですが、実際そうでもないんです。大手のシステムキッチンと大して変わらないこともあります。部材や作り方次第で金額は抑えられます。新築住宅でもうキッチンが決まっている方は難しいかもしれないですが、リフォームや完全注文住宅の工務店さんなどでは取り入れてくれることが多いです。 また、キッチンは難しくても、造作の収納はとってもオススメです。大工さんや家具屋さんが造るピッタリとサイズの合った収納は気持ち良いですし、市販のものより愛着いっぱいだと思いますよ。今はDIYの本もたくさんあるし、ブログなんかも見て、自分で作るのもいいですよね〜。」

まとめ: 暮らしと個性にフィットする『造作』の魅力

Akiさんの細やかな『気づき』と『こだわり』、そして家具職人のご主人の『腕』と『意見』ご夫婦の才が相乗効果となって、素敵な住まいが今まさに進化中なんですね。そんな住まいの顔となるキッチンは、お二人のこだわりがギュッと凝縮した空間。造作の魅力はもちろんですが、素材の使い分けや工夫、ソープディスペンサーのアイデアなどはAkiさんご夫婦だからこそ導き出された答えではないでしょうか?これから、家を作る、リノベーションする、造作家具を検討中という方は、今回教えていただいたアドバイスやアイデアを参考に、理想をもっと膨らませてみてください。


Akiさんはご紹介した他にもRoomClipに素敵なインテリアを投稿していらっしゃいます。ぜひご覧下さい!

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